世界は原発を手放すのか ? WH破産にみる原発の今後 --- 高幡 和也

2017年04月03日 05:50

写真ACより(編集部)

2017年3月29日、東芝の米原発子会社ウェスチングハウス(以下WH)が連邦破産法11条の適用を申請しました。

今回はあえて、東芝の損失処理の問題ではなく、WHの破産申請にみる、原発関連事業を取り巻く周辺環境の悪化について考えてみたいと思います。

WHが巨額損失に見舞われた原因などは、各種報道により明らかになってきていますので、ここではそれに対する言及はせず、「何故、WHがそうせざるを得なかったのか」を探っていきます。

まず、重要な点を要約します。今回一番の問題とされるM&Aが始まる前に、WHとCB&Iストーン・アンド・ウェブスター社がアメリカの電力会社と結んでいた原発建設の受注契約に「電力会社に有利」な内容が盛り込まれていました。※詳細は各報道でご確認下さい。

ここで根本的に大事なのは、

いま、少なくてもアメリカでは「原発関連事業者が不利な受注契約を結ばざるを得ない状況」であるという事実です。

日本を含め世界が脱原発を目指し、化石燃料に頼る比重を落とし、再生可能エネルギーを主としたエネルギー政策をとることは、原発事故の際に生じる長期間の管理リスクを減らします。これはおそらく原発賛成反対の別なく殆どの人達に受け入れられるでしょう。

ただし、エネルギー安全保障の観点や、取らざるを得ない施策に「原発」が欠かせない国があることも事実です(現在建設中の原子力発電所は15ヶ国で、60基にのぼります)。

また、廃炉技術の確立も原発の先駆者としての責任であります。

感情的な論理や、市場原理を優先するあまりに、原発の存在そのものを即時に否定し、排除するのではなく、今まで培ってきた原発技術の全てをこれからの世界で切に求められる需要に合わせていくのが、今、現に原発を利用している者の責任ではないでしょうか。

最後に、世界では原子力発電所が運転中の国は31ヶ国、447基が稼働しています。

その全てが、いつかは必ず「廃炉」を迎えること、そしてその為にも、「原発技術を維持、発展」させなければいけないことを忘れてはなりません。

高幡 和也 会社員

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