Ameba...もといAbemaTVで“深い溝”報道

新田 哲史

Abema TVより

ごめんなさい。きのうのVlogで小っ恥ずかしいミス。

もはや定番のミスでありながら、誰も指摘がなかったのは関係者が気遣ったのか、そもそも関心が高くないからのか、後者とすれば違う意味で当事者には微妙だが、「Abema TV」と本来すべきところを「Ameba TV」と思い切り間違えてオンエア。さすがに動画は訂正できないので、一旦取り下げて代わりにこちらで補足するが(サイバーエージェントさんが「AmebaTV」で商標取れなかったんですよね)、“幻のVlog”では、今月発売のZAITEN5月号で下記のタイトルの記事を取り上げた。

藤田サイバーエージェント社長と早河テレ朝会長の「深い溝」

ご興味がある方は、ZAITENをお読みいただければと思うが、開局から1周年を迎え、アプリダウンロード数が1500万を記録するなど、表向きは「好調」とされるAmeba、、、もといAbema TVの裏側では、両社の蜜月が崩壊の危機であると、報じている。具体的な内容を一部だけ触れると、無料主体の放送だったのが、ここに来て課金サービスへのシフトへの意向を持っているとされる藤田さんの考えを巡って「不協和音」があるとし、番組制作もテレ朝本体では考えられないような人のこき使いぶりがある等、あれやこれや並べられている。

私も、IT企業とテレビ局の間で早晩予想されていた「カルチャーギャップ」が起きている噂は仄聞する。そういうことで、Vlogで指摘したのは、記事を読んだ感想として大なり小なりの事実はあるんだろうな、と。また、同誌は、課金シフトに対してNetflix等との競合から懐疑的な見方を示しているし、記事でも言及されている西村博之氏の見立てが注目されたように、「インターネットのテレビ局」という藤田社長の理想は無理という意見も多い。

しかし、これも動画の中で言っておいたが、ZAITENの取材は、現在のサイバーエージェント(以下CA)に対して不満をくすぶらせているテレ朝関係者とみられるニュースソースに偏っている印象があった。

Ameba…もといAbemaTVは、初年度は83億の赤字を出していることからも明らかなように、投資フェーズであり、どこかで回収しなければならない。現在のところは投資が回収できるのか懐疑的な見方が支配的だが、メディア環境もカルチャーも全く違う中、しかし若年層の「テレビ→スマホ動画」シフトが年々強まっているのも確かなわけだから、テレビ局も手をこまねいていていい時代でもない。

ライブドアのニッポン放送株買収騒動から早13年(遠い目)。Ameba…もといAbemaTVのカルチャーギャップは、いわば予期されていたような形で噴出しているのであろうが、みのもんたさんがきらびやかなスタジオで立ち回ったりとか、お金もしっかりかけて地上波を思わせるような「作り込んだ」コンテンツを出すインターネットテレビ局が一つくらいはあっていい。経営的観点で課題は多すぎるが、コンテンツ観点でみれば、一般人が発信できる「お手軽」感の強かった動画の世界に刺激は与える価値は大きいと思う。

スタッフの過労とか、クリエイティブ環境に対して、効率主義が幅をきかせるCA側がどこまで歩み寄れるかもポイントだろうが、テレビ局側も不慣れなベンチャー環境に飛び込んだわけなので、ここが勝負どころ。不満分子がZAITENにリークするような動きが年々減っていく代わりに、業績発表会で数字も職場環境もリア充になれるよう、ご活躍を期待しております。

それにしてもZAITEN編集部、以前、読売新聞の批判特集記事で、読売新聞の白石興二郎・代表取締役&編集主幹の顔写真を載せたつもりが、老川祥一・グループ本社最高顧問&巨人軍オーナーのそれと取り違えたことを指摘したが(記事はこちら)、今度はこちらがAmeba…もといAbemaTVとアップしちゃったもんだから、きっとほくそ笑んでるんだろうな。くそっ。