【映画評】暗黒女子

2017年04月07日 06:00
提供:東映/ショウゲート

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裕福な家庭の子どもたちばかりが通う名門女子高・聖母マリア女子高等学院で、学院の経営者の娘で、全校生徒の憧れの的だった白石いつみが屋上から落下して死亡する事件が起こる。彼女の手にはすずらんの花が握られていた。事故なのか自殺なのか謎に包まれる中、いつみは、彼女が主宰していた文学サークルの誰かに殺されたのでは…という噂がたつ。いつみの親友で、いつみに代わってサークルの会長となった澄川小百合は“白石いつみの死”をテーマに自作の物語を披露する、定期朗読会を開催する。会員はそれぞれ犯人を告発する作品を発表するが、物語の内容はすべて異なっていた…。

提供:東映/ショウゲート

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名門女子高で起こった美少女転落死事件の真相を巡って少女たちの心の闇と意外な真実があぶり出される学園ミステリー「暗黒女子」。原作は秋吉理香子の同名小説で、読後の後味の悪さを感じるイヤミスとして話題の原作だ。ひとつの事件をめぐって、それぞれが違う犯人と犯行の動機を語り、やがてその先にある真実へとたどりつくという展開は、いわゆる「羅生門」スタイルである。同じ場面、同じ登場人物が何度も出てくるので、シーンに工夫が必要なのだが、この作品の場合は、ポップではあるが、ちょっと表層的だ。その分、美少女だらけのビジュアルの魅力でカバーしている。優雅で美しいはずのお嬢様たちの日常は、裏側では、壮絶な嫉妬や策略、秘密やかけひきがくりひろげられていて、そのドロドロ状態は、それなりに見応えがある。スクールカーストのトップにいた、いつみへの愛憎入り乱れる感情は、純粋で残酷、エゴイストでナルシストの10代の少女そのものだ。

ミステリーなので詳細と結末は映画を見て確かめてほしいが、キャッチコピーにある“驚愕のラスト24分”は、なるほどブッ飛ぶ。これはもはや、ミステリーというよりホラーである。そもそも、セレブのお嬢様学校の文学サークルの伝統が闇鍋って、何これ?!と違和感を持って見ていたが、それがこんな形で結実するとは。荒唐無稽と言ってしまえばそれまでだが、美少女たちの怪演は一見の価値ありだ。
【55点】
(原題「暗黒女子」)
(日本/耶雲哉治監督/清水富美加、飯豊まりえ、千葉雄大、他)
(残酷度:★★★★★)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2017年4月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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