“米国抜きTPP”、日本主導の枠組みを

2017年04月07日 06:00

4月1日に産経新聞が「米抜き発効を検討 5月の閣僚会合声明に明記も視野」という見出しで次のように報じています。

「政府が、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を米国抜きで発効させる方策の検討に入ったことが31日、分かった。米国の離脱で発効が不可能になる中、世界貿易機関(WTO)の前身「関税貿易一般協定」(GATT)の先例を参考に、別途議定書を結び、合意した国にのみTPPを適用する案が浮上している」

先月15日には南米チリでTPP閣僚会議が開かれ、署名12か国中アメリカを除く11か国が参加しました。
ここでオーストラリアやニュージーランドの首脳が「米国抜き」を主張したそうですが、本ブログでは昨年12月に「アメリカ抜きのTPPを日本が推進すべき」と書きました。

2016年12月5日ブログ「さようならアメリカ」米国抜きでもTPPは進めるべき
http://nakada.net/blog/7652

このようなやり方には前例があります。

世界貿易の議論をしたりルールを決める枠組みとして世界貿易機関(WTO・World Trade Organization)がありますが、その前身は「関税貿易一般協定」(GATT・General Agreement on Tariffs and Trade)です。
GATTは第2次大戦後に貿易戦争の障壁を取り除き自由貿易を促すために作られましたが、1947年にアメリカやイギリスなど署名した締結国の貿易総額85%という壁を越えられませんでした。
そこで暫定的なGATT議定書を作り、それに少しずつ参加国が増えていく形で1995年に128ヶ国が参加してWTO協定が発効されました。

今回のTPPは協議参加国12か国のうち、批准国が6か国となりかつそのGDP(Gross Domestic Product・国内総生産)合計が85%以上を占めれば発効されますが、アメリカ・トランプ大統領の“離脱”方針によってできない状態になっていました。

参加国のペルーやチリからは「中国を加えたらどうか?」との提案もありましたが、そうなるとテーブルをひっくり返して議論の最初からやり直しになってしまいますし、いずれにせよレベルはかなり低くなるでしょう。

アメリカ抜きの11か国でTPPを発効させる場合、もっとも貿易額が多く、もっともGDPが大きいのは、他ならぬ日本です。

日本が枠組みを主導し、そこにどんどん新しい国が加わって行けばよいのではないでしょうか。
5月にベトナムで開催される閣僚会議で日本政府のリードに期待します。


編集部より:この記事は、前横浜市長、前衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2017年4月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
前衆議院議員、前横浜市長

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