女性社長に聞く!男性優位の社会で女性が活躍するには

尾藤 克之

写真右が花田氏。『サファイア玲子の恋せよ!お仕事♪』(琉球放送)

いま女性活用を推進する動きが加速している。企業イメージや働き方を刷新することが期待される一方、具体的な取組み方法は必ずしも明確ではない。制度面は整えられつつあるが、職責や職務が不明瞭なことから任命できないなどの課題も散見する。

岡山を拠点にする(株)岡三食品は、国内唯一の「むき甘栗」専業メーカーである。社長の、花田雅江(以下、花田氏)の経営者としてのキャリアは、父の会社が倒産し負債を背負うことからはじまる。

■男性と女性とでは、違いがあって当然

――次に、中国製の冷凍餃子に毒物が混入していた事件の影響を受けて、関係のない自社製品が売場から撤去されるなど試練が襲ってきた。その際に、もっとも苦労したことは男性優位の社会の壁だった。女性が活躍するには「その壁」を乗り越えなくてはいけなかった。

「男女平等とはいえ、今の日本はまだまだ男性優位の社会であることです。私の亡き父も言っていました。『食品業界は男性社会だから、女性のおまえが社長としてやっていくなんて、とうてい無理だ』と。そう言われて、『はい、それではやめておきます』というわけにはいかず無理を承知で会社を興したからこそ、今の私があるのです。」(花田氏)

「起業した当初は、『女性には無理』という父の言葉がいつも頭の片隅にありました。だからよけいに頑張ることができたのかもしれません。」(同)

――では、どのように奮起し取り組んできたのだろうか。

「私は女性ですが、それ以前に一人の人間であり、男性と同じようにちゃんと仕事ができるのだということを認めてもらいたい。その一心で、どんな小さなことにも誠心誠意を尽くし、一生懸命にやってきました。時には、男性と張り合って無理をしたこともあります。」(花田氏)

「女性だから大目に見て許してほしいなどとは思わない、男性に甘えない、媚びを売ったりすることもしない。どんなことにも受けて立つ!と強気の姿勢でいたのです。」(同)

■世の中、すべてはバランスが大事

――女性には自分本来のやさしさ、美しさ、きめ細やかな気配りといった美点や特性が備わっている。これは男性には無い視点でもある。一方、男性にも女性にはない特性が備わっている。そこに価値を見い出すことが大切だ。

「男性と女性は、育つ環境も違えば、現在おかれている環境もいろいろと異なる点があるため、お互いにわかり合えないことや、食い違うこともあります。だからこそ面白いのではないでしょうか。極点なことを言えば、感じ方も考え方も正反対で対照的だからバランスがとれてうまくいくということもあるのです。」(花田氏)

「私が携わっている食品業界で言うと、今のところ、スーパーマーケットに並んでいる青果や鮮魚、また、ドラッグストアなどの取扱い商品は、そのほとんどが男性バイヤーによって仕入れがなされています。」(同)

――男性バイヤーの存在についてどのように考えているのだろうか。

「今、デパートの食品売場をこんなにもおしゃれで活気あるものに変貌させ、通称『デパ地下』の名で親しまれるようにしていったのは、男性陣のすぐれたビジネスセンスと手腕によるものだと思います。ただ、いずれは変化が起き、女性バイヤーも増えていくに違いありません。商品を購入するお客様の大半が女性だからです。」(花田氏)

「男性バイヤーと女性バイヤーがそれぞれの特性を発揮し、お互いに人間性を認め合って仕事を展開していったら、今よりももっとおしゃれで心弾むような素敵な売場になっていくことでしょう。」(同)

――なお、本記事を執筆していた先月、「FOODEX JAPAN2017」(日本能率協会/JMA)の美食女子グランプリで、花田氏が経営する岡三食品が金賞を受賞したと報告があった。僭越ながら、この場を借りてお祝い申し上げたい。

参考書籍
めげない自分をつくる「セルフトーク」』(高陵社書店)

尾藤克之
コラムニスト

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