日本の司法を正す会で美濃加茂市長の藤井浩人さんの話を聞いた

藤井浩人・美濃加茂市長(藤井氏サイトより:編集部)

32歳というのだから、青春の真っただ中にいる若者である。

同世代の期待を一身に背負っている政治家の一人だが、同時に普通の人では背負いきれないほどの大きく、かつ重い荷物を背負っていることは、多くの皆さんがご承知のはずである。その美濃加茂市長の藤井浩人氏の話を、今日、週刊金曜日と元参議院議員の村上正邦氏が主宰する日本の司法を正す会の講演会で聞いてきた。

藤井氏は、2010年の美濃加茂市の市議会議員選挙で初当選し、2013年、当時の市長の病気辞職を受けて行われた美濃加茂市長選挙に無所属で立候補し、28歳という若さで当選した、当時全国で最年少の市長ということで脚光を浴びた青年である。

しかし、市長当選の1年後に受託収賄罪で逮捕・起訴され、一審で無罪判決を獲得したが、控訴審で逆転の有罪判決を受け、現在最高裁に上告中で、来月には市長選を控えている。

なかなかこういう難しい立場におられる人の話を直接聞くということは出来ないのだが、日本の司法を正す会には、冤罪を訴える方々や係属中の刑事事件について無罪を主張される方々やその関係者の方々が登場される。

私は、都合のつく限り出席してお話を聞き、求められればコメントを述べることにしている。

今日は、藤井氏の弁護人の郷原信郎氏が同席されており、逆転有罪判決を下した控訴審の審理や判決の問題点等について解説していただいた。その内容については、郷原氏がいずれご自分のブログで詳細に述べられると思うので、割愛するが、藤井氏のこの裁判は確かに注目されるべき重要な裁判である。

藤井氏は、まだ32歳という若さなのに、2度にわたって絶頂から奈落の底に真っ逆さまに突き落とされた、まさに数奇の運命に翻弄されている渦中の人である。

一度は、市長当選の1年後に警察に逮捕されてしまうという大変な事態。
もう一度は、一審で無罪となりながら、控訴審で逆転の有罪判決を言い渡されるという、これまた大変な事態。
普通の人なら、めげてしまうはずである。
ショックで戦う気力を失ってもおかしくない。

しかし、藤井氏は、戦う気力を些かも失っていない。

判決の帰趨がどうなろうとも、私は、こういう難しい状況に追い込まれながら、なお戦う気力を失わない若い人たちを応援していきたいと思う。

多分、美濃加茂市の市民の皆さんもそうだろう。

藤井氏の話を直接伺える機会を提供してくださった日本の司法を正す会の関係者の皆さんに、改めて御礼を申し上げておきたい。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年4月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。