豊洲移転に向けたスケジュールと論点整理

2017年04月24日 06:00

ども宇佐美です。
今回は豊洲移転に向けたスケジュールと論点について改めて整理したいと思います。豊洲の移転自体は小島PT座長の築地再整備私案を巡る空騒ぎはあれど足立康史議員の質問を受けての農水省の4/6の答弁でほぼ確定したと言ってもいい状況です。そのため議論すべき課題は、今後具体的にどのようなスケジュールで移転を進め、残された課題を解決していくか、ということに移りつつあります。

01豊洲ロードマップ

(http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/torikumi/ より)

ここでまず参照すべきは、小池知事が示した豊洲市場移転に向けてのロードマップです。現在は市場問題PTでの審議が行われているわけですが、予定では、

①近く市場問題PTの報告書がまとめられ、 (5月中??)
②その後環境アセスメントの再アセスの必要性が判断され、(7月ごろ??)
③最終的に「市場のあり方戦略本部」で総合的な判断が下される(8〜9月ごろ)

というステップが踏まれていくことになります。①に関しては、市場問題PT委員が築地再整備案をめぐり分断しており混乱しているものの、おそらく「豊洲移転案と築地再整備案の両論併記」などの形をとることで東京都の役人の力技で報告書はまとめられることになるでしょう。他方②に関しては、環境アセスの再実施は「5年以上工事を放置する」「新たな希少動物の巣が近隣で発見された」などのよほどの事態でなければ行われないため今回は見送られることになるでしょう。

そもそも環境アセスは大規模工事の事前手続きですから、工事が終わってからアセスメントを再実施するとなると何のためにやるのかよくわかりません。あえて好意的に解釈すれば「追加対策工事に先立って行われる調査」ということになりますから、小池知事は豊洲に関して追加対策工事を実施することを前提にロードマップを書いている可能性が高いと推察することができます。

ということで、

このままのペースで検討が進めば、都議選
前には小池知事による豊洲移転の判断は行われず、9月ごろに追加対策工事の実施を含む豊洲移転の「総合的な判断」が下されることになると思われます。

。。。もしかしてスケジュールの再設定が行われるのかもしれませんから何とも言えませんが。。。まぁいずれにしろ遅かれ早かれ年度内前半に豊洲移転に向けた「総合的な判断」のタイミングがくることには変わりません。当然9月までに都政としては豊洲移転の最大の障壁である「地下水の問題」と「事業継続性の問題」に決着を付ける必要性があります。ざっと説明すると

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<地下水の問題>
・豊洲に関しては現在は安全上の問題は全くないわけですが、他方で将来的なリスクとして地下水位の問題があります。想定ケースとしては「地下水管理システムが想定ほどうまく稼働せず、地下水位が上昇することによって、地下ピットに汚染水が侵入して、さらに床の亀裂から地上部建物内に汚染水から蒸発したガスが侵入する」というものです。ほとんど可能性がないものですが、豊洲市場を50年、70年使うとなると念には念を入れてこの問題に関して対策のあり方を追加対策工事の必要性も含めて議論する必要性があります。

<事業継続性の問題>
・豊洲市場では減価償却分を除いたとしても、毎年27億円のキャッシュフロー赤字が想定されています。そのため豊洲市場移転後、短期的には築地市場跡地の売却で東京都の市場会計は潤うものの、長期的には「他の市場で儲けた黒字を豊洲が吸い上げる」というような形で市場会計を不健全にしてしまう可能性があります。他方現状築地市場では18億円のキャッシュフロー黒字があり、市場会計の将来的な健全性を保つためには、この豊洲市場のキャッシュフロー赤字を圧縮する方法について早急に議論する必要があります。

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という具合です。逆に言えば仮に選挙で自民党や維新が「豊洲への早期移転」を主張するとしたら、この点について回答を用意する必要があると言うことです。私としては両方とも解決できる問題と考えているので、また日を変えてブログでまとめようと思います。

ではでは今回はこの辺で。


編集部より:このブログは「宇佐美典也のblog」2017年4月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は宇佐美典也のblogをご覧ください。

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