トランプ米大統領の100日計画、採点表

2017年04月26日 06:00

4月29日に、トランプ米大統領は就任100日を迎えます。

その直前の28日は、暫定予算が期限切れを迎える日です。約2週間に及ぶイースター休暇を経て、米議会が残りの2017年会計年度の予算(4月29日~9月末)を成立させなければ、2013年10月の悪夢が甦ります。そう、政府機関の閉鎖です。

ポール・ライアン米下院議長は3月末、メキシコ国境の壁建設をめぐり「巨額であり、翌年度の予算割当になる」と発言していました。ところが4月24日、トランプ米大統領がツイッターで壁建設の必要性に言及。ワシントン・ポスト紙はテキサス州マッカレン周辺のリオグランデ・バレー、同州エルパソ付近、アリゾナ州トゥーソン、カリフォルニア州サンディエゴなど100マイル相当が重要地域で、初期費用として約36億ドルと試算したものです。スパイサー報道官も壁建設は明らかに優先事項と説明したため、政府機関閉鎖という最悪シナリオへの懸念が募りました。

幸い、トランプ米大統領は心変わりしたもよう。現地時間24日の夜に政権関係者の話として2017年度での壁建設費用を先送りすると伝えられました。就任100日を控え支持率は低空飛行を続けており、負け戦を回避したもようです。就任100日を前に、メキシコの壁建設がトランプ政権にとって優先事項とのメッセージを支持層にアピールするための打ち上げ花火だったとも捉えられるでしょう。

支持率は最悪期からは脱却も、40%台前半で低迷。

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(作成:My Big Apple NY)

さて、100日を控えトランプ米大統領はどんな実績を挙げたのでしょうか?数字を軸に簡単に振り返ってみましょう。

1.最高判事の指名 1人(ゴーサッチ氏)
2.米大統領令の署名、27本
(TPPの離脱、イスラム教国を中心とした入国禁止令、H1Bビザなど見直しなど)
3.署名した米大統領令のうち2本が差し止め
(イスラム教国に対する入国禁止令、並びにその修正版)
4.ホワイトハウスでの執務日数 74日
5.ホワイトハウスの芝生に上がったトラックの数 1台
(トランプ米大統領がトラック業界の幹部との会合で、運転する振りをした)
6.11人の指導者を歓迎
(メイ英首相、安倍首相、トルドー加首相、習主席など)
7.マールアラーゴへ訪問数 7回
8.ゴルフコース訪問数 19回
9.国家安全保障問題担当の指名回数 2回(フリン氏、マクマスター氏)
10. 閣僚の指名承認数 22
11.  閣僚の指名承認待ち 3(ライトハイザーUSTR代表候補、アコスタ労働長官候補、パーデュ―農務長官候補など)
12. 法制化への署名 20本(うち10本はオバマ時代の規制)
13. ツイート投稿数 900回以上
14.  雇用統計・非農業部門就労者数 1~3月の平均 17.8万人増

翻って、トランプ氏が米大統領選挙中の2016年10月にペンシルベニア州ゲティスバーグで説明した100日計画は以下の通り。

●ワシントンD.C.内にはびこる不正を一掃 △
・議員の任期変更に関し、憲法の修正を提案 ×
・軍人を除く政府機関の雇用を停止する大統領令に署名後、4月に解除 ×
・新たな1つの規制導入に2つの規制を撤廃(大統領令で署名)○
・ホワイトハウス高官、議員に対する5年間に及ぶロビイスト転身の禁止(大統領令で署名)○
・ホワイトハウス高官による外国政府でのロビー活動禁止(米大統領令で署名)○
・米国選挙での外国人ロビイストによる寄付金禁止(米大統領令で署名)○

●米国労働者の保護 △
・NAFTAの再交渉 ○
・TPPの離脱 ○
・財務長官を通じ、中国を為替操作国と認定 ×
・財務長官と商務長官に指示し、不公正な貿易慣行を敷く国を洗い出し ○
・シェールなどエネルギー生産関連の規制解除 ○
・キーストーンパイプラインXLなどエネルギー・インフラの承認 ○
・国連に対する気候変動関連の拠出を停止し、米国内の環境インフラ整備に振り分け △(予算案では打ち切り)

●安全保障、憲法、法制度の回復 △
・最高判事の指名 ○
・犯罪者であり不法移民である200万人を強制送還 ×
etc, その他

●中所得者層向けの税率簡素化 ×

●企業に対する海外移転の阻止 ×

●官民連携を通じ10年間で1兆ドルのインフラ投資 ×

●学校選択並びに教育の機会拡大 ×

●医療保険制度改革の撤廃・代替案への移行 ×

●育児・介護向け支援 ×

●移民流入阻止 ×

●治安回復 △(大統領令は署名)

●安全保障の回復 △(大統領令は署名)

●政治腐敗の一掃 △(大統領令は署名)

「大きな夢を描いてほしい」と語ったトランプ氏が掲げた13の計画のうち、小項目を含めて達成できた項目はゼロでした。達成した項目も大統領令の署名という荒業がほとんどで見直し中も多く、支持率回復には税制改革を中心に実行力が求められます。

(カバー写真:Gage Skidmore/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2017年4月25日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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