【映画評】帝一の國

2017年04月28日 06:00
「帝一の國」オリジナルサウンドトラック

国内屈指の名門校・海帝高校に首席で入学した新1年生の赤場帝一は、将来、総理大臣になって自分の国を作るという野望を抱いていた。その夢を叶えるため、政財界に強いコネ持ちを、将来の入閣が確約されている生徒会長の座を目指すことに。2年後の生徒会長選挙を見据え、誰よりも早く動き出した帝一だったが、彼の前には800人の超エリート高校生たちというライバルがいた。やがて帝一は、想像を絶する罠と試練が待つ、壮絶な派閥闘争に巻き込まれていく…。

名門高校の生徒会長の座を巡る激しいバトルを描く学園闘争コメディ「帝一の國」。原作は古屋兎丸の大人気同名コミックだ。菅田将暉演じる主人公・帝一が野心の男なら、ライバルキャラたちは、策略、正義、支配、戦術と、それぞれの役割が分かりやすく描き分けられていて、戯画的演出とギャグのつるべうちで笑わせる。時代が昭和という設定なので、どこか浮世離れした雰囲気や、テクノロジーに頼らない戦略が、物語にフィットしているのだ。親の代からの因縁や腐れ縁、誤解に策略が交錯し、生徒会長選挙は余談を許さない。1年生の帝一は、まずは次期生徒会長になる2年生を見極めてその派閥に入るが、そこで、姑息なライバルに罠をしかけられたことで大ピンチに。そんな中、状況を一気にひっくりかえす奇策“マイムマイム事変”には大爆笑した。生徒会長になるためには、どんな汚いことも辞さないと心に決めている帝一が自分の国を作りたい本当の理由は、意外にもセンチメンタルなもの。原作に登場する、帝一の恋人の美美子を巡る恋愛バトルはバッサリと割愛されてしまったので、物語は、イケメン男子たちの学園闘争に絞られた印象だ。恋愛より野心と友情。負けるのではなく勝たせてやる懐の深さに、ピアノ曲・マリオネット(操り人形)のメロディーが不敵に響いた。
【65点】
(原題「帝一の國」)
(日本/永井聡監督/菅田将暉、野村周平、竹内涼真、他)
(カリカチュア度:★★★★★)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2017年4月27日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は公式Facebookページから)。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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