仏大統領選、極右ルペン氏は破れたが、混乱の始まりか?

2017年05月09日 06:00

5月7日、フランスで注目の大統領選挙が終わりました。

結果は中道・無所属のマクロン氏が勝ちました。
蓋を開けてみればマクロン氏が2070万票余り、極右政党「国民戦線」のルペン氏が1063万票余で、ほぼダブルスコアの結果になりました。

決選投票までは以前のブログで書いたとおり、4月23日の1回目の投票時点より2人の差は少し縮まりました。

2017/4/17「【フランス】トランプ氏「生みの親」のアノ彼女が大統領に?」
http://nakada.net/blog/9412

ルペン候補が国民戦線の党首を一時的に辞任したりさらには日ごろ穿かないスカート姿を披露したり、ユーロ・EU(欧州連合。European Union)に柔軟な姿勢を見せたりと反転攻勢があったからでしょうが、しかしマクロン候補への批判に終始していたことやそして何より国民の間にやはり「極右政党はカンベン願いたい」という意識が働いて結果としてマクロン候補がかなりの差をつけたと思われます。

これまでのところマクロン氏の勝利について各国リーダーの発言や報道を見ると端的には「安堵」の反応となっています。
「フランスはEUに残留」、また最近、世界のトレンドになっていた「一国主義」に歯止めがかかるのでは、というところでしょう。

しかしマクロン氏もこれから先は大変です。

国民に約束した例えば”法人減税”やあるいは”年金など社会保障費の企業負担減”はフランスで企業がより活動しやすくするという意味で広義の「一国主義」です。

また世界経済のコンディションはIT化・グローバル化などもあり、さらに発展途上国や更なる新興国の出現によって世界の分業体制はより広く行われるようになっていますから、日本も含めてフランスなどいわゆる先進国はかつてのような経済成長はできない限界もあります。

EUの継続も、ひとつひとつ国が集まって広いEUに”他国からの安い労働力を受け入れ、工場を建て、EU全体の経済として、その富を今度はEUの隅々まで分配していく”というならともかく現実はそうではありません。

国境があり、財政もそれぞれの国で状況が違い、それでも”経済全体がつながりましょう”という矛盾が続いていくわけで、これから先マクロン氏が言うようにフランス経済がぐんぐんと成長するようなことは無理でしょう。

こうした”旧経済と新経済”・”旧秩序と新秩序”のせめぎ合いが続いていくことになり、その間もルペン氏はずっと「だから私はあの時に言ったではないか」と攻めたてることになります。

5年後にはまた大統領選挙となりますが、こうしたせめぎ合いはそう簡単に終わらず、ルペンの人気はもっと高まり得票はもっと増える、そんな未来も予想されます。


編集部より:この記事は、前横浜市長、前衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2017年5月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
前衆議院議員、前横浜市長

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