【映画評】ピーチガール

2017年05月23日 06:00
「ピーチガール」オリジナル・サウンドトラック

心は純真なのに派手な外見から遊んでいると誤解されやすい女子高生・ももは、ある勘違いから、学校一のモテ男のカイリとキスをしたという噂を流される。しかも、その後にカイリに本当に一方的にキスされてしまい困惑する。ももは、中学時代からの同級生で硬派な男子・とーじのことを一途に思い続けていたのだ。おまけに、男受けのいい美少女だが中身は性悪の沙絵は、ももの好きなものを何でも欲しがり、何とかとーじを横取りしようと様々な罠をしかけてくる始末。そんなももの絶対絶命のピンチを救ったのは、一見チャラそうだが実は真面目な性格のカイリだった…。

見かけとは真逆の性格の高校生の男女の恋模様を描く青春ラブストーリー「ピーチガール」。原作は第23回講談社漫画賞を受賞した上田美和の人気コミックだ。主人公のももは、水泳部に所属していたため、日焼けした肌に塩素で色が抜けた赤い髪で、外見は遊んでいるギャル風だが、中身は同級生とーじを想い続ける一途でピュアな性格。学校一のモテ男のカイリは、チャラくて軽い性格に見えて、中身は真面目で、複雑な家庭環境に悩みながらも懸命に夢を追っている。ももの友人の美少女・沙絵は、可愛らしい外見とは裏腹に小悪魔系の性悪で、ももが好きなものは何でも欲しがる。とーじだけは真面目で硬派でさわやかな外見と中身にギャップは少ないが、どこまでも不器用な男子だ。人をみかけで判断してはいけない。そんな真面目なメッセージが透けて見えるが、話の中心は、とーじとカイリという、正反対のタイプの二人の男子の間で揺れ動くももの恋模様で、ももが果たしてどちらを選ぶのかが、なかなか読めないので思いがけず楽しめてしまう。だが、問題は演技。山本美月、伊野尾慧共に、あまりに芝居がつたない上に、高校生役をやるには年齢的に無理がありすぎて、ファン以外には響かないだろう。原作コミックのキャラのビジュアルは、実写版とかなり違うようだが、もう少し現実的なキャスティングがあったのではないか。小悪魔の沙絵を演じる永野芽郁が、珍しく憎まれ役なのが目新しいが、沙絵が仕掛ける罠や策略がこれまた稚拙で、苦笑しかでてこない。監督はこれが長編映画初監督。あまりキビしいことを言ってもいけないが、ティーン向けの胸キュンラブストーリーでも、もう少しリアルな演出が見たかった。何でも原作には続編があって、10年後(27歳)の物語があるのだそう。やっぱりこのお話は、実写ではなくコミックの世界が向いているようだ。
【45点】
(原題「ピーチガール」)
(日本/神徳幸治監督/山本美月、伊野尾慧、永野芽郁、他)
(ファンサービス度:★★★★★)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2017年5月22日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は公式Twitterから)。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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