赤ちゃんポスト10年。政治が真剣にやるべき2つの具体例

2017年05月30日 06:00

熊本市の慈恵病院が設置した通称「赤ちゃんポスト」、「こうのとりのゆりかご」が今月で10年を迎えました。

事情があって育てられない親に代わって子供の命を救おうというもので、この10年で130人が預けられました。

日本での人工妊娠中絶数は平成27(2015)年で17万6000に上ります。
17万6000人の命が生まれて来なかったということになります。

人工妊娠中絶が行える根拠は昭和23(1948)年に施行された母体保護法(かつての優生保護法)にあります。この法で妊娠22週までで暴行・脅迫などの望まない妊娠であることや経済的な理由に限って認められています。

法制定までは”堕ろす”ことは刑法212条「堕胎罪」で犯罪でした。
施行後、間もない昭和30(1955)年の117万件がピークで、経済的に厳しかったことが要因と考えられますが、その後は少しずつ減り続けています。

いずれにせよ、人工妊娠中絶は命が失われることだけでなくお母さんは心身ともに傷付いていることは間違いないでしょう。

赤ちゃんポストに預けなくても良いように考えるべきことはなんでしょうか。

1つは人工妊娠中絶の原因をなくすことでしょう。
犯罪による妊娠は言語道断ですが、きちんとした性教育は効果があるようです。
秋田県では中学・高校で性教育講座を行うことで、10代の人工妊娠中絶は平成13(2001)年の18.2%から10年後の平成23(2011)年には5.3%に減りました。
(数字は15~19歳の女子人口1000人対)

もう1つは特別養子縁組の推進です。
世の中には望んでも子供を授からない夫婦がいます。

特別養子縁組は原則として6歳未満の子が対象で、戸籍上は実の子と同じ記載になりますし、語弊を恐れずに書けば「望まない」子と望んでも授からない夫婦の両者をマッチングする重要な方策です。

特別養子縁組のような仕組みは欧米でより多く受け入れられていますが、日本はもっと積極的に取り組むべきでしょう。

今回の親子の絆・縁については、映画『そして父になる』(平成25(2013)年)を思い出しました。
公開の翌年に観ましたが、本当に考えさせられる素晴らしい作品で当ブログに感想を書きました。

2014年8月31日ブログ 「そして父になる」~ 血の繋がりか、一緒に過ごした時間か」
http://nakada.net/blog/155

ぜひ、皆さんにもご覧いただきたい作品です。


編集部より:この記事は、前横浜市長、前衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2017年5月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
前衆議院議員、前横浜市長

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