トランプ大統領・G7デビュー 主張と現実の狭間に漂うようです…

2017年05月31日 06:00

先週末の5月26〜27日、イタリア南部タオルミーナでG7サミット・主要7カ国首脳会議が開かれました。

7カ国は日・米・英・独・仏・伊・加で1975年当時、冷戦下かつオイルショックがあった後に経済を盛り立てていかなければならないということで始まりました。

以来、毎年行われてきましたが、今年は特にトランプ・アメリカ大統領をはじめイギリス・フランス・イタリア7ヶ国中4カ国の首脳は”新顔”で、安倍総理大臣はむしろ”ベテラン”になりました。

最近は保護主義的な流れが強まっている中、このG7で自由貿易をきっちり確認できるか、発表する文言に注目しました。

去年までは「あらゆる形態の保護主義と闘う」と毎年、発表されてきましたが、今年は「不公正貿易に対抗しながら保護主義と闘う」という文言に変わり、明らかにトーンダウンです。

アメリカのトランプ大統領自身は明らかに保護主義的な考えで、このような文言自体を入れたくなかったでしょう。

しかし「自由貿易こそが大事」と日本やヨーロッパ諸国・カナダ全てが主張してトランプ氏は6対1で囲まれて説得され、妥協したわけです。

けれども言葉として「不公正貿易に対抗しながら」とは入れたわけで「アメリカにとって不公正だ」と判断すれば「保護主義もあり得る」といった文言になってます。

3月にブログで書きましたが、3月17・18日にドイツ・バーデンバーデンで行われたG20・主要20カ国・地域の会議では同じような文言で毎年盛り込まれていた「あらゆる形態の保護主義に対抗する」という言葉は盛り込まれませんでしたので、今回のG7は何とか6対1で説得したということになります。

3/23ブログ 「その時、歴史が動いた」(森友・籠池氏の話じゃないよ)

もう一つの注目ポイントは、地球温暖化対策の国際的枠組「パリ協定」に対するG7のスタンスです。
トランプ大統領は大統領選の最中から石炭を掘り、エネルギーは使うことこそが経済を盛り上げ、雇用を確保するという考え方で「脱退する」と言っていました。

このことも残り6ヶ国でトランプ大統領の説得を試みましたが、こちらは頑として首を縦に振らず、結果、アメリカを除く6ヶ国で履行していくことを確認するにとどまりました。

CO2(二酸化炭素)の排出量の第1位は中国で28.2%、2位がアメリカで16%ですからアメリカが止めれば中国も同様で国際的枠組は壊れてしまうでしょう。

トランプ大統領はサミット後の今週に正式に判断するそうで、現実と自分が主張してきたことの狭間でどのような判断をするのかが注目です。


編集部より:この記事は、前横浜市長、前衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2017年5月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

タグ:
アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!
中田 宏
前衆議院議員、前横浜市長

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑