BPもオイルラッシュに参加しAI使用に

2017年06月12日 21:00

先日、アメリカのシェール掘削事業に関与している友人から「現場では最近、ドローンの使用が当たり前になっている」というは話を聞いた。ちょうど、北海では海底生産坑井のメンテナンス作業にロボットを利用することが普及し始めている、というニュースを読んだところだったので、石油開発業界では今日も日進月歩で技術革新が進んでいるのだな、と感じ入っていた。

そこへ今朝、FTが “BP joins oil rush to use AI with funding for California start up” (around 8:00am on June 12, 2017)という記事を掲載しているのを発見した。サブタイトルは “UK group to use Nasa-based software to improve hunt for new resources” となっている。俗に「千三つ」と呼ばれる探鉱の世界にAIを利用し、発見確率を高めようという動きだ。

たまたま読んでいる “Wildcatters” という本で「モノサシ地質学(yardstick geology)」なる用語に遭遇した。これは、石油を発見し、生産しているが離れているA地点とB地点の間をモノサシで線を引き、その線上を掘削すれば成功する確率が高い、というものだ。とても「学」などとは呼べないものだが、それが「常識」だったのだ。もっとも戦前の話だけれどね。

さて、FTの記事の要点をご紹介しておこう。

・BPは先週、米NASAと防衛省のソフトウエアを商用化しようとしているカリフォルニアのスタートアップBeyond Limits社に2,000万ドル投資することで合意した。これは、人里離れた遠隔地で、油まみれの掘削機器を利用し、Roughneck(年がら年中、直射日光を浴びているので首が焼けている労働者)が石油を求めて行う作業を、BPもデジタル技術を利用して行おうという動きである。

・米国独立系大手のPioneer Natural Resourcesは先月、掘削の成功機会を増やすためにAIを利用するつもりだ、と発表した。4月にはイタリアのENIが、地震探鉱イメージングと地質モデリングのために新しいスーパーコンピューターを使用し始めている。より強力な地震探鉱イメージングは、データ解析にコンピューターを活用することと相まって、地震探鉱作業の可視性を高めるのに役に立つ。

・ソフトウエアは、現存する生産や精製装置の安全と信頼性を高めるために、石油業界では3年前からの価格下落の中で効率向上に使用されている。

・BPのChief Digital Innovation Officer(こんな役職があるんだ!)Morgan Watsonは、AIは「石油業界の業務遂行能力を新しい水準に引き上がるために使用される、もっとも重要なデジタル技術の一つだ」と語った。

・Beyond Limitsの最高経営者AJ Abdallat曰く「我々の目的は、人間と同じように考え、人間の能力を拡大することができる自動的解決法(automatic solutions)を創りだすことだ」。

・BPの探鉱開発部門のトップBernard Looneyは今年初め、石油業界はデジタル技術に気がつくのが遅かったと認め、これからは大変化が始まる、と述べた。「我々は急いで失われた時間を取り戻す。Big DataがBig Oilに革命をもたらす」。

・先月投資家に対する説明会で、Pioneer Natural ResourcesのChief Technology OfficerのChris Cheatwoodは、学習する機械が掘削をより予測可能にすると語った。目的は、我々が監視するところで、AIにどこを掘ればいいのかを教えさせるのだ、と。「だから、へい、これまでの新記録だ、350万ドル坑井1本が掘れたぞ、だが次に事故があり、800万ドルかかった、という代わりに、へい、平均450万ドルで掘れたぞ、と言えるようになるのだ」。


編集部より:この記事は「岩瀬昇のエネルギーブログ」2017年6月12日のブログより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はこちらをご覧ください。

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岩瀬 昇
エネルギーアナリスト

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