いまこそ必要な『真・働き方改革』提言 --- 和田 行裕

2017年06月13日 06:00

政府の推進する働き方改革は方向性を大きく誤っている。

下記に二つのテーマを例に働き方改革の方向性の間違いについて述べたい。

同一労働同一賃金について

政府の進める改善策は非正規労働者の賃金、待遇を正社員に合わせるというものである。確かに正社員と非正規労働者の不合理な格差の是正は必要だが、国際基準から見れば、むしろ正社員を非正規労働者の方に合わせるべきである。

日本の正社員は福利厚生が充実していることや解雇がされ難いことなど一見すると良いことのようだが、様々な問題をはらんでいる。

例えば、外資企業は従業員を解雇しづらいことを大きなコストであると考えるため、日本への進出を諦め、もっとビジネスがやりやすい国に進出する。つまり、日本の正社員が守られすぎているために外資企業誘致の妨げになっている。

また、解雇がされないことは雇用の流動性を低下させる要因となっている。

長時間労働問題について

政府は長時間労働そのものを一緒くたに悪だとしてしまっている。

しかし、長時間労働であっても労働者がそれも含めて職場環境に満足していたり、仕事にやりがいを感じており長時間労働を苦に思っていないケースが存在し得る。

内状を一切知らない外部の人間がブラック企業を一方的な基準で決めるのではなく、労働者が実際に働いた中で働き続けたいか否かを判断し、選択できることが望ましい。

日本における働き方の問題点は、新卒で一度入社してしまったら転職しても待遇が今より良くなることは稀であるため、働きたくない環境であっても継続して働くことを強いられていることである。

上記二点のテーマから考える日本において必要な働き方改革は「労働者自身が働きたい環境を選択できるようにすること」である。

では、どのように労働者自身が働きたい環境を選択できるようにするかといえば、前述にもあるが、雇用の流動性を高めることである。

雇用の流動性を高めることは、主に以下のメリットがあると考える。

①企業と労働者のミスマッチの解消
②ブラック企業の減少
③優秀な労働者の集約化
④報酬の適正化

現在と比較し、①②はいずれも雇用市場が活発なことにより、労働者が望む環境にできるだけ近い職場を探すことにより実現できるものと考える。また、ここで重要なのは、ブラック企業を外部の人間が一方的な基準で判断するのではなく、実際に働いた人間が判断することにより結果として労働者の満足度が低い企業が淘汰されていくという仕組みができるということである。

③については、雇用市場が活発化することにより、優秀な労働者は今よりさらに賃金、待遇のいい企業へステップアップを目指し、成長著しい企業は優秀な労働者を集約し、成長が著しい企業はさらに成長を加速することが可能になる。技術の転換が目まぐるしい現代においてとても重要な要素であると考える。

④について、政府がわざわざ賃上げを要請する必要があるということはまさに雇用が流動性が低い証拠である。雇用の流動性を高めることにより、市場原理に従って企業は労働者の確保のため、他企業と競いながら労働者の確保のために賃上げをせざるを得ないであろう。

では、雇用の流動性を高める具体策だが、主に以下の二点が考えられる。

1.前述の正社員の待遇を非正規労働者並みに下げること、現在言われるような正社員という身分そのものの廃止

2.新卒採用の廃止

2についても雇用の流動性の問題だけはなく様々な問題をはらんでいるが、まとまりがなくなってしまうためここでは省略したい。

結論として、政府は表出した表面上の問題だけをすくって安直な対策をしようとしているが、それでは日本の根深い雇用問題を抜本的に解決することは難しい。まとめるのが難しいくらい様々な問題が絡み合って日本の雇用問題は表出している。

確かに社会システムそのものを変えるのは莫大な時間とコストがかかると思うが、しかし先延ばしにすればするほどそのコストは膨れ上がっていくばかりであるので、いつか手を出さないといけない問題であると考える。

そして、雇用問題が注目され、まさに改革の必要性を実感しているいまこそ抜本的な真の改革が必要なのである。

和田 行裕
フリーランスエンジニアの24歳。早稲田大学政治経済学部卒業、日本維新の会党員

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