23名のブレない候補者を見て欲しい|松原仁氏

7月2日に投開票が行われる東京都議会議員選挙が、いまだかつてないほどの注目を集めています。
「小池百合子都知事vs都議会自民党」の対立構図がメディアで注目されていますが、一方で都議選の争点となる対立軸はもう1つあると指摘するのが、民進党東京都総支部連合会(以下、民進党都連)会長・松原仁衆議院議員です。
離党者が相次いでいる民進党が都議選をどう戦っていくのか。選挙ドットコムでは松原氏にインタビューを行いました。

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都政が注目されることは、民進党としても大歓迎している

-選挙ドットコム編集部(以下、編集部)
東京都議会議員選挙がいまだかつてないほどの注目を浴びています。
このことについては、民進党都連会長の松原氏はどうお考えでしょうか?

-民進党都連 会長 松原仁氏(以下、松原氏)
とても歓迎しています。やはり人間は注目されるとやる気になるものですし、見られていることが緊張感を生み、働きを生みます。それが人間の本性です
報道でクローズアップされればされるほど、都議会は活性化していくでしょう。これは非常に意味のあることだと思います。

-編集部
一方で、「小池百合子都知事vs都議会自民党」のワイドショー型報道を懸念する方もいらっしゃいます。都政問題の一部のみが大きく報道されることについてはどのようにお考えでしょうか?

-松原氏
ワイドショー型報道は多くの方々の関心を呼ぶためのものですから、私は歓迎しています。

都政にいきなり興味を持ってくれというのも難しいものです。きっかけはワイドショー型報道に興味を持っていただくことで構いません。今は都政の一部のみにスポットライトが当たっている状態でも、その一部に関心を持っていただければ、やがて都政全体へ注目は広がっていくと期待しています。

「政権vs民進党」という軸が露出してきた

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-編集部
今回の都議選で民進党が注目している点や争点は、どのようなものでしょうか?

-松原氏
主に豊洲市場問題、東京オリンピック・パラリンピック、情報公開の3点です。

都民の最大の関心軸は豊洲市場問題だと認識しています。小池知事がここまで支持を集めてきたのは豊洲市場問題と東京オリンピック・パラリンピック問題について取り組んできたからです。ですから、ここは当然今回の都議選の争点になります。

そして、情報公開について。こちらも小池知事が今まで実施してきたことですね。小池知事の改革により、東京都は都民に対する情報公開が不十分なのだということが公になりました。これは国政でも同じです国民・都民は情報にアクセスできないと諸問題についてジャッジすることすらできません。その課題について先鞭をつけた小池知事のことは評価しています。

-編集部
民進党ならではの注目ポイントなどもありますか?

-松原氏
現在、「小池知事vs自民党」の対立が注目されていますよね。
私はこれに「政権vs民進党」というもう1つの対立軸が生まれてきているように思います。なぜでしょうか? 今回の都議選から来年(予定)の衆議院議員選挙まで、東京都民が意思表示をできる大規模な選挙が他にないからです

森友学園問題、加計学園問題等が国会で話題になりました。この問題について都民が選挙での投票という最も直接的な方法で意思表示をしたくても、参議院選挙は終わったばかり、衆議院選挙はまだ先です。こんな状況ですから、国政への意思表示が都議選にも表れるのは自然なことです

都政にだけ着目すれば「小池知事vs自民党」と言いますか、「小池知事vs反・小池知事」の構図ですよね。しかし、国政が絡んでくると「政権vs民進党」というもう1つの判断軸が生まれます。

身近なところで言えば、街頭で政治活動をしていても違いを感じます。今までチラシを受け取ってくれなかったような方にも、取っていただけるようになっています。

そして、民進党からは離党者も出ましたが、23名(22日時点)の志を持った候補者が残ってくれました。彼らに対して民進党都連は全面的に、格別な支援を行うつもりです。残っている23名は、特殊とも言える今回の都議選で、ブレない意思を持ち、民進党からの立候補を決めている。こうした、ブレない意思や信念を強く持った彼らを都政に送り出せるのかどうかが、1番の争点かもしれません。
ある意味では政局争いになってしまう可能性の高い都政において、地域の代表としてブレずに活動をしてくれる我が党の23人を、ぜひ皆さんに選んでいただきたいです。

-編集部
都議選に限ったことではありませんが、投票の際に「候補者の人柄」を重視する人も多数いらっしゃいますから、ブレずに民進党から都議選に臨むというのは大きなアピールポイントかもしれませんね。

民進党は都議会でどんな存在でありたいと考えていらっしゃいますか?

-松原氏
権力が長期間君臨すれば、それは自然に腐敗していくものです。その時に権力と癒着していれば、それを指摘することはできません。
私たちはあくまでも都民サイドに立ち、都民のために行動する存在でありたいと思っています。力を持った業界や団体としてではなく、政治的にはなかなか声をあげづらい人の声を拾い上げ、代弁する政党が必ず必要です。私たち民進党はその代弁者でありたいと考えています。

創造的破壊を目指して、民進党は変わらなければならない

-編集部
松原氏は衆議院議員を6期務めていらっしゃいますが、政治家を志したきっかけはどのようなものだったのでしょうか?

-松原氏
私は案外純粋でして、子どもの頃から世の中の不公平ですとか、貧しい人を見ると助けずにはいられなかった人間なんですよ。今も貧富の差は激しく、平等な社会が実現できているかと言えばNOですよね。平等にチャンスがある社会を作るべきだとずっと思っていたんです。

大学を卒業後、松下政経塾に入塾して政治に関わりたいと思う気持ちは更に高まりました。社会を活性化するために、大変にやりがいのある仕事であり、自分の1回しかない人生を興奮と感動で満たし、大風呂敷を広げてそれを実現していける仕事は政治しかないのではないのかと。

-編集部
松原氏は野党・与党・そして現在再び野党として活動されています。これまでの活動を振り返って、ご自身や民進党をどのように評価していらっしゃいますか?

-松原氏
政治家として活動できているという点に関しては満足しています。しかし、その内容については、「まだまだやれるだろう」という気持ちがありますね。

私の政治信条は「活力のある社会を作るために創造的破壊を行う」です。創造的破壊というと難しいですが、明治維新といえばピンと来る方もいらっしゃいますでしょうか?本来、日本は明治維新のようなダイナミックな改革・創造的破壊ができる国なんです。
民進党がそれを今できているかと問われれば、もう一皮、二皮くらいむけなければいけないですね。これからも先陣を切る活躍をしていかなければいけないと考えています。

政治は男女の恋愛よりも面白い。政治に目覚めよう!

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-編集部
最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

-松原氏
政治に関心を持ち、歴史に近づきましょう。政治に目覚めよう。月並みな言葉ですが、「政治に無関心でも、政治に無関係ではいられない」からです。あなたの投票が創造的破壊の第一歩です。
繰り返します。政治に目覚めよう!男女の恋愛よりも面白いですよ(笑)

-編集部
本日は貴重なお話ありがとうございました。