週刊東洋経済の「残業禁止時代」が告発する働き方改革の矛盾

2017年06月27日 11:30


『キン肉マン』の人気が再燃しているという。

キン肉マン人気が再燃 背景に漫画と社会の関係性の変化:朝日新聞デジタル

私も少年時代に夢中になった。プロレスラーを目指すきっかけになったのは、『キン肉マン』と藤波辰爾だ。ここ数年、ウェブで連載されている新シリーズにも夢中になっていた。

この『キン肉マン』には、こんな名セリフ(?)がある。「こんな一戦はめったにみられませんで…女房を質にいれたかてみにこなあきませんで。」というものだ。もともとは、中野和雄というキャラ(アデランスの中野さん)が発したセリフである。今なら問題になりそうな発言だが、新シリーズでも登場していた。まあ、それくらい定着しているフレーズなのだろう。

まあ、女房を質に入れるという表現はドギツイなと思いつつも・・・。それくらいの勢いで、今すぐ買うべきものがある。それは、今週の『週刊東洋経済』だ。

『週刊東洋経済』の最新号は「残業禁止時代 働き方改革のオモテと裏」という特集を組んでいる。タイトルそのままの通り、働き方改革のオモテと裏をあますことなく描いている。

私も寄稿している。最新作のタイトル、ほぼそのまんまという感じだが、残業がなくならない理由について解説をしている。


最新作で吠えていたことが、この特集にも爪痕をのこせた感じで、嬉しい。こういう風に世論が動く瞬間は、物書き冥利につきる。

この特集は、実に立体的に働き方改革の意義と矛盾を描いており。物事はそうそう簡単には進まない。なんというか、ワンフレーズポリティクス的に、一つのパワーワードで一点突破しようとしたり、「意識改革」などという言葉が連呼されたり、ある取り組みが何事も解決してしまうかのような印象を与えてしまう中、このように丁寧に、ときに衝撃的な事実を交えながら論じる同誌の姿勢をリスペクトしている。労基署のスタッフ、官僚などの声も交えつつ、意識高い系成功事例も紹介しつつ、そもそもの根本的な誤解(生産性に関する解説などは秀逸だった)なども説きつつ、論じていて実に面白い。

もうひとつ、重要なポイントがある。この特集の舞台裏こそが、働き方改革だ。日本を代表する労働記者、連合神津会長を始め、多くの著名人、何より読者がリスペクトするエース記者風間直樹氏のカムバック物語でもあるのだ。東洋経済で数々の良特集、良記事を連発していた彼は数年前、朝日新聞に転じた。そして、戻ってきた。まさに、ジェダイの帰還である。

数年前の東洋経済では、若手三銃士と言われる猛者がいた。

現NewsPicksの佐々木紀彦氏
現東洋経済オンライン副編集長の武政秀明氏
そして、風間直樹氏である。

社内では
佐々木紀彦はロマンチスト
武政秀明はリアリスト
風間直樹はテロリスト
と言われていたそうだ。

佐々木氏と風間氏という若手エースを失ったことは数年前の同社に衝撃を与えた。しかし、風間氏は戻ってきた。東洋経済の快進撃、そして日本の労働論壇の革命はここからはじまるのだ。

このように、出入り自由、出戻り歓迎の世の中に、なるといいな。

私はリクルートにもバンダイにも戻らないけどな。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2017年6月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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常見 陽平
千葉商科大学国際教養学部専任講師

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