クラムボンのメジャー離脱…アーティストのあり方と、ファンとの関係

2017年07月02日 12:30

メタルの人だと思われているけれど、私は実に幅広い音楽を聴く人材である。書斎や研究室で集中するときはいつも、坂本龍一だし、古今東西を問わずロックを聴き、ダンスミュージックも聴く。

ファンだと言うと、意外に思われるアーティストのひとつが、クラムボンで。先行抽選販売でチケットがとれたので、渋谷O-EASTでのライブに行ってきた。定番の曲から、最近の曲まで、意外にも?ハードなナンバーから、しっとりした曲まで、実に楽しめるライブだった。

クラムボンは2年前にメジャーレーベルを離れて活動している。メジャーを離れるというと、人によっては落ちぶれたかのように感じる人もいるだろう。違う。クラムボンは、これでますます自由に、かつ自分らしく活動する権利を得たように思う。なんでも、CDはライブでの手売り、さらには、クラムボンのCDを置きたいという店と提携するそうで。5枚以上置いてくれるならOKという条件だそうだ。

ライブのMCで明かされたのだが、売れ行きはメジャー時代とまったく変わらないのだという。さらに、レコーディングスタジオの選び方など、自分たちの好きなようにレコーディングできるようになったと。これは推測だが、やり方によっては収入も増える可能性があるわけで。

3年くらい前に、TBSラジオ「文化系トークラジオLife」で「里山ウェブ」というテーマで議論した。要するに広く売り出すよりも、ファンというか売り先を絞って、成立する世界もあるんじゃないの、という話である。当時はcakesや津田マガなどが話題になったころだった。ゲンロンやPLANETSも会員制を始めた頃だったような。

もっとも、あえて活動の規模やファンの数を絞ることで成立する人としない人がいるのもまた事実で。クラムボンは絶妙のポジションというか、ステータスなのだな。同バンドは別に大規模な活動を否定しているわけではまったくなく。それこそ、ロックフェスなどにも出るし、テレビなどにも登場している。とはいえ、あえてメジャーを選ばず、自由に活動し、ファンに支えてもらうというのは一つの選択肢だ。

日本が誇るジャムバンド、DACHAMBOも、海外公演の映像化のクラウドファンディングを始めた。
ダチャンボ皆既日食映像化大作戦! – クラウドファンディングCAMPFIRE 

アメリカのオレゴン州での皆既日食イベントに出演する彼ら。その様子を映像化しようというものだ。彼らはこれまでも、キャンプ場を貸し切りにしたフリーライブ(ドネーションなどで運営)などを行ってきた。この映像化クラウドファンディングも、ファンが支えるモデルだと言えるだろう。

というわけで、別にメジャーで大規模に活動するだけでなく、このように活動のやり方や規模をデザインすること、ファンに支えてもらうということって大事。


・・・最近、自己中心的になりすぎていて。ファンを大切にしなくては。いかん。最新作、よろしくね。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2017年7月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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常見 陽平
千葉商科大学国際教養学部専任講師

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