過労死漫画が話題!ストレスを自覚したらどうすべきか

2017年07月07日 06:00

画像は本記事紹介の書籍より。出版社許可にて掲載。

2016年に自殺した人は21,897人となり、22年ぶりに22,000人を下回った。しかし、年代別に見ると、15~39歳の死因第1位が「自殺」である。こうした状況は、先進国では日本のみであることから国際的に見ても極めて深刻な状況だといえよう。

いま、注目されている書籍がある。『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』(あさ出版)だ。Twitterで30万リツイートを獲得し、NHK、毎日新聞、産経新聞、ハフィントンポストでも紹介された過労死マンガの書籍版である。

著者は、汐街コナ氏。デザイナー時代に過労自殺しかけた経験を描いた漫画が話題になり書籍化にいたった。監修・執筆は、精神科医・ゆうきゆう氏。自分の人生を大切にするための考え方が、わかりやすくまとめられている。

このようなストレスには注意を

――「死ぬ気で頑張れ、絶対死なないから!」。私が20代の頃に勤務していたA社では、こんな言葉が飛び交っていた。毎年100名近くが入社するが同じ人数が辞めていった。むしろ、社員数は減るが売上げ目標は変わらずノルマのみが増える。社長の台詞が「死ぬ気で頑張れ、絶対死なないから!」だった。

会社とは不思議なもので、働いている環境に慣れてしまうと、それを当然と思うようになる。なにが普通でなにが異常か、わからなくなるのだ。「頑張れ」も希望がある人には響くが希望が無ければ響かない。逆説的に言えば、希望が無ければ働くことは難しい。汐街コナ氏は自らの経験を踏まえて、危険な体の変調について次のように答えている。

「突然、涙が出てきてとまらない。悲しいことなんてないのに、なぜか涙があふれてくる。自分で思いあたることがないのに、涙が止まらないというのは感覚が麻痺している可能性があると思います。そのような時、あなたの心のなかはストレスで限界を迎えている可能性があります。」(汐街コナ氏)

「『もう、無理だから!』『いっぱいいっぱいで無理!』という場合。これ以上、ストレスには耐えられない。いまがとてもつらい状況だから『涙』がとまらないのです。」(同)

――さらに、次のような兆候が発生したら注意すべきと、汐街コナ氏はつづける。

「原因がわからないのに、突然、立てなくなる。起きられなくなる。動けない。熱もないし、怪我をしているわけでもない。どこも悪くなさそうなのにおかしい。たぶん、『少し疲れているのかな。頑張らなきゃ!』。このような時も要注意です。」(汐街コナ氏)

「『どこも悪くないのだから頑張らなきゃダメだ』『これくらいで休んじゃダメだ。まわりに迷惑をかけてしまう』。このような時には、振り返りが必要です。普段どおりのことができない時点で十分『おかしい』からです。」(同)

――先ほど、A社の例をあげたが、このような出来事があった。急に横に座っていた女子社員が「嗚咽」をもらして泣き出す。同僚社員が駆け寄るが、同じように「嗚咽」をもらして泣き出す。周囲は理由がわからないから奇妙な光景にしか見えない。

裁量労働制が適用されていたので、何をしても大丈夫だと経営陣は思っていたのだろう。「会社は何時までいても大丈夫です。仮眠室も用意しました」。なお、A社は日本を代表する人気企業でもある。いずれにしても本人の自覚が必要ということになる。

自分を客観視する作業が必要

――次ぎの話は、汐街コナ氏の体験談だが、興味深いので紹介したい。

「ある社員が、苦手な人の隣の席になったとき苦手な人がいる側だけにジンマシンが出ました。席替えをして苦手な人が逆側になったら今度は、そちら側だけにジンマシンが出ました。ストレスの出方は人によりいろいろです。私の場合は、目がチカチカしたり、目まいがすることがあります。」(汐街コナ氏)

「このような状況が続くようなら、心療内科に行くことをおすすめします。まずは自分がちゃんと自覚すること。心に薬の塗って包帯を巻くようなイメージで修復に専念します。ストレスになりそうなものはシャットアウトすることも大切です。」(同)

――会社は生きものだから、経営状態によっては適切な労働環境を確保することが難しいこともある。「体調のことを話したら、評価に影響するので話せない」という人もいるだろう。「会社を辞めたら、収入の心配をしなければいけないからガマンする」という人もいるだろう。しかし決めるのはあなただ。憂いていてもなにも変わらない。

どんなに一流といわれている会社であっても、イヤな上司がいて、イヤな仕事をしていたらブラックになる。だから、自分を客観視する作業が必要になる。汐街コナ氏の生々しい体験を、精神科医・ゆうきゆう氏が解説する内容には、リアリティがある。現代社会で働くストレスを抱えるすべての人におすすめしたい。

参考書籍
「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』(あさ出版)

尾藤克之
コラムニスト

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