行政は支援の多様性を担保すべき。民間のギャンブル依存症対策

2017年07月15日 11:30

こんにちは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

今週、ギャンブル依存症対策地方議員連盟の勉強会が開催されました。

ギャンブル依存症対策議連、回復施設やパチンコ業界の意見を踏まえ提言へ(政治山)

勉強会では、NPO法人ワンデーポート中村努理事にお話を伺い、翌日に現場へ訪問させていただきました。

認定NPO法人ワンデーポート – Biglobe

また、勉強会でのもう一つのテーマにもなっていましたが、出玉規制に関する議論が行われています。
田中紀子さんによるアゴラへの寄稿記事もご参考に。

パチンコ出玉規制はギャンブル依存症対策にはならない

話を戻しますと、中村理事ご本人が若い頃ギャンブルにのめり込み、社会からドロップアウトされているそうです。
自助グループに通われ、その後はギャンブルの問題を解決するためにNPOを設立され、現在にいたります。

国内初のギャンブルに関する問題を抱える方を対象とした施設を運営されてきましたし、施設に入居する方以外に対しても給料を預かる金銭管理など、きめ細やかな支援を行われてきました。

ギャンブル依存症が病気ということが話題になりましたが、中村理事はあえて病気とだということを強調せず、人に寄り添ったアセスメント・情報提供が必要だとされています。
回復施設、自助グループ、依存症専門の医療機関などは有効な手段ではありますが、必ずしもそれだけで問題のすべてが解決するわけではありません。
中村理事は、パチプロの話を聞いて大きく負けないようにすることでも問題が解決するとお話されていました。

もちろん、個人がのめり込んでいる度合いによりますし、解決策としては極端な事例だと思いますが、マニュアル的な対応ではなく、あらゆる手段を徹底的に考えることで助かる方もいらっしゃるのではないかと思います。
そして、ここまで踏み込んだ話は、決められた範囲で仕事をこなす行政にはできません。

現在は、事業収入と寄付により運営されていますが、パチンコ業界から寄付を集めていることが特徴的です。
中村理事は、
「補助金(助成金)はもらいたくない。貧乏でもこっちの方がいい。」
とお話しされていました。
あらゆる手段を考えて対応できるのは、補助に頼らない自由度の高いNPO法人だからこそです。

NPOが日本国内すべての問題に対応できるリソースがあるかと言えば、現時点では難しいと思います。
そこで、各自治体でギャンブル依存症対策を行い、相談窓口を設けることは必要なことだと考えています。
ただし、過度な医療化や、行政特有のマニュアル的な対応で事業が推進されることになれば、従来から活動していたNPOにとっては市場が厳しくなる可能性は高まるでしょう。

ワンデーポートさんが行う支援、そして他の民間団体が行う支援、あるいは行政や医療が目指す方向性は、本来であれば対立するものではありません。
行政が方向性を決定する際に柔軟性を残すことで、民間の支援を通じて多様性を担保できるようにしなければなりません。
事業の精査や補助金(助成金)のあり方に関しても、バランス感覚を持って提言を行ってまいります。

国のテーマとして扱われがちですが、現場対応は基礎自治体が役割を担うものです。
ギャンブル依存症に関しては、新宿区議会でも意見書が全会派が賛成のもと可決されました。
大きな流れとして反対する会派もなく、基礎自治体の超党派で積極的な取り組みが行われる可能性があるテーマです。

有志で勉強会を開催し、大枠として予防、介入、社会復帰など地方自治体が担うべきことを確認するなど動き出しています。
新宿区政でもさらに活発に議論されるテーマだと思いますが、多様な選択肢が取れる形へつなげていきます。
賛否両論で非常に難しいテーマですが、どうぞお気軽にご意見をいただければと思います。

それでは本日はこの辺で。

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