トランプ大統領、戦闘機購入を要求 買うなら小銃を

2017年07月16日 06:00

ドイツでの安倍ートランプ会談(首相官邸サイト:編集部)

トランプ大統領、戦闘機購入を要求(FNNニュース)

先週、ドイツ・ハンブルクで行われた日米首脳会談で、トランプ大統領が、戦闘機などの購入を日本側に強く求めるなどした会談の全容が、FNNの取材で明らかになった。

会談で、トランプ大統領は、日本とアメリカの貿易不均衡をあらためて指摘したうえで、日本に対し、戦闘機などの、いわゆる防衛装備品を購入するよう強く求めたという。これに対し安倍首相は、日本が防衛費を増やしていることを紹介したうえで、アメリカの戦闘機やイージス艦などの購入計画を説明し、理解を求めた。

軍事音痴のアレ首相は「私は自衛隊を弱体化させてまでアメリカ様からオスプレイやAAV7、グローバルホークとか、使い道のないクズを高値で買っているじゃないですか!」とか抗弁しなかったんでしょうねえ。

買うのなら小銃、機関銃の類いがいいですよ。内外価格差が10倍ほどと大きいし、目に付きやすいので無知で頭の悪い単純なアメリカン人にアピールできます。40万円の小銃が4万円、400万円のミニミが40万円ならばお買い得です。あとは国内での整備拠点を義務づける必要がありますが、それはミロクなり日本製鋼所なりにやらせてもいいでしょう。何より戦闘機ほどお高くありません。そして無用な防衛産業のメーカーをターミネートできるので、爾後の税金のダダ漏れを防げます。

国産より高品質・高性能な製品が、悪くても1/5とか1/6のお値段で調達できます。その代わり調達期間を5年とか、6年とかで区切ること。そうでないとディスカウントを期待できません。安く買えるので必要数の1.3倍ぐらい戦時用備蓄としてかっておけば宜しい。それでも圧倒的に安いです。

国産メリットは高い稼働率の維持と戦時の増産ですが、全く実現できていません。陸自のヘリなんてみんな国産ですが、稼働率は5割程度、「純国産」本とは違うけど)のOH-1なんぞ、純国産エンジンの不調で長期にわたって飛行停止です。戦時の増産も嘘だらけで、熟練工はメーカーも下請けも少ないし、外国製のコンポーネントも多い。輸入が途絶したら増産なんかできませんよ。

それより、安い輸入品にして余分に予備を買っておく、また他国の相互の融通の約束をしておく方が余程有利です。

例えば輸入する新小銃の調達が5年としましょう。89式小銃は30年近くたっても調達が終わっていないわけですが(こんな無責任なふざけた話、他国では聞いたことがありません)、仮に30年としても1/6の期間で完了します。ということはそれに関わっている調達要員が必要なくなります。それは調達のワークロードが1/6になるということです。

現状防衛省の調達要員は欧州主要国より1桁少ない上に、いつまでも終わらない不効率な調達で人手を無駄に使っており、欧州主要国とのワークフォースの実質的な差は実際数十倍もあるでしょう。つまり装備の調達を圧縮すれば人手不足の解消に役立つわけです。

「保守の論客」な皆さんが予算増やせ人間増やせと言っておりますが、調達を適正化、つまり他国の軍隊並みにするだけで数百人から数千人分の人員増となりまず。増員も予算も増やさずに。

ついでに将来性のない国内ヘリメーカーを潰すために、チヌークやらUH-60シリーズやらもこの際全部輸入に切り替えましょう。そうすればお値段は1/3ぐらいにはなりますよ。やる気も将来性ない業界を喰わせる必要はありません。そんな無駄な金があるならば、返済不要な奨学金やら、母子家庭・父子家庭への支援策などにカネを使うべきです。

ついでに陸自の次期自走榴弾砲もキャンセルして、米国で生産しているM777を入れましょう。これはMHIの車体をやめてMANの8輪トラックを使うようですが、島嶼防衛に使うならばM777の方が有用でしょう。それを自走化したいならば、BAEシステムズのポーティを導入すればいい。

別に国産を否定はしませんが、質が劣るものを、外国の何倍も高い値段で、長期にわたって買うことよるデメリットが大きすぎます。

本来必要なコアな技術・装備に優先順位で予算を回し、また実戦を想定した開発、試験を行い、既存の防衛企業の代わりに中小企業をどんどん登用し、併せて防衛産業の再編を行うならば国産もありですが、まあ政治にも防衛省にも業界にも当事者意識も危機感もないので無駄でしょう。

国産擁護派の人たちは「時間」という概念がありません。
本来5年で戦力化し、寿命が30年という装備を30年掛けて装備するということは、25年も余分にすべての装備の戦力化が実現できません。そして最後の方のでは、初期に調達した装備が用途廃止になるので、必要数の装備が揃いません。

つまり、必要数が戦力化されることがないということです。その間旧型装備と併用時間がなくなって、兵站、教育が二重になって不効率でカネも人員も余分にかかるし、近代化もやりにくい。74式戦車や90式戦車などのその好例です。つまり近代化によって質の劣化を防ぐこともできない。

現状は国防のための装備調達ではなく、装備調達自体が目的化しています。これでは戦争に勝てません。

国産品を採用するならば諸外国と同等それ以上の質と能力を備え、値段も同等、せめて2倍以下ぐらいに押さえる必要があるでしょう。そのような努力をするつもりがないならば国産はやめるべきです。中高年ニートのような防衛産業を喰わせる必要はありません。

その代わりオフセットで、コンポーネントの一部を作らせろとか、新幹線とかMRJ買えとか要求すれば国内にもカネが落ちます。

やる気も能力もない企業にカネをばらまいて、自衛隊を弱体化させるより輸入に切り替えた方が遙かにましです。

Japan in Depth に以下の記事を寄稿しました。

海自ヘリ選定巡る下克上と内局 その1
海自ヘリ選定巡る下克上と内局 その2
海自ヘリ選定巡る下克上と内局 その3


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2017年7月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。

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清谷 信一
軍事ジャーナリスト、作家

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