【映画評】パワーレンジャー

2017年07月18日 06:00
パワーレンジャー(オリジナル・サウンドトラック)

紀元前。世界の運命を左右する大きな戦いが起こり、死闘の末、地球は5人の戦士たちによって守られた。時は流れて、現代。小さな町、エンジェル・グローブに暮らす平凡な高校生たち、ジェイソン、キンバリー、ビリー、トリニー、ザックの5人は、運命に導かれるように出会う。突如、超人的なパワーを与えられ困惑する彼らの前に、古代の地球を守っていた5人の戦士パワーレンジャーの一人、ゾードンが現れ、悪の戦士リタ・レプルサが世界を滅ぼそうとしていること、そして5人がリタと闘うパワーレンジャーとして選ばれたことを告げる。たが、5人はなかなか自らの使命を受け入れられず、秘めたパワーを解放できない。それぞれが葛藤する中、世界の危機が迫り、ついにその力が目覚めるが…。

日本発のスーパー戦隊シリーズをハリウッドが実写映画化したSFアクション「パワーレンジャー」。元は子ども向け特撮テレビドラマだが、ハリウッドがスケールアップして作った本作は、あえて登場人物たちの年齢を高くし、大人の鑑賞にも耐えうるものになっている。主人公は男子3人、女子2人の計5人の平凡な高校生たちだ。白人2人、黒人、アジア系、ヒスパニック系とさまざまな人種の5人が抱える悩みは、将来のこと、友情、いじめ、家庭、貧困など、現代社会にフィットした多様性を見せる。物語はSFヒーローものだが、若者たちが悩み、決断し、成長する姿は、青春映画のセオリー通り。オタクやサブカル的な会話や笑いも入れながらのストーリーは、共感を生むだろう。

もどかしいのは、超人的なパワーを与えられても、なかなかパワーレンジャーとして覚醒しないことだ。本物のヒーローになるために必要な覚悟や犠牲、勇気が試されているのだろう。だが、そんな“タメ”が長い分、ついにパワーレンジャーに変身して戦う場面は、なかなかのカタルシスを味わえる。ハリウッド大作らしいスケールで、アクションやVFXなどを駆使した映像は、かなり贅沢なもの。人間サイズで戦い、巨大マシンに搭乗して戦い、さらにはそのマシンと合体して戦う頃には、気分は完全にスーパー戦隊シリーズに入り込んでいるはずだ。日本でスーパー戦隊ものといえばイケメン俳優の登竜門。どうやら本作はシリーズ化されるという噂だし、今のうちに、本作の若手キャストの名前を覚えておくといいかもしれない。
【70点】
(原題「POWER RANGERS」)
(米・カナダ/ディーン・イズラライト監督/デイカー・モンゴメリー、RJ・サイラー、ナオミ・スコット、他)
(青春成長物語度:★★★★☆)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2017年7月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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