石破四条件は予定調和のための芸術作品だった

2017年07月31日 06:05

フジテレビ「バイキング」で石破氏と共演した筆者(編集部)

産経新聞が、いわゆる石破四条件について、獣医師会に対して、「学部の新設条件は大変苦慮しましたが、練りに練って、誰がどのような形でも現実的には参入は困難という文言にしました…」と説明していたと報道し、石破氏が抗議するなど話題になっている。

石破四条件とは、一昨年の6月30日、安倍晋三内閣が閣議決定した「日本再興戦略」に盛り込まれた獣医学部新設に関わる4条件を指す。

(1)現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化
(2)ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らか
(3)既存の大学・学部では対応が困難な場合
(4)近年の獣医師の需要の動向も考慮しつつ、全国的見地から本年度内に検討

これをどういう性格のものかと官僚経験者として分析すると、獣医師会の面子も立つようにそれなりのハードルの高さにするが、越えられないわけではないように工夫しておくという、霞ヶ関の常識に従った中立的なニュアンスの見事なものだと理解する。

獣医師会の主張も無視しないが、努力すれば、新設したいところにとってクリアできるので、あとは政治的決断というお膳立てだったはずだ。

したがって、石破氏が、報道されたような表現が全面的に正しいかどうかはわからないが、容易に越えられないようにしたと業界に説明したのもありうると思う。しかし、一方、内閣府が加計もなんとかクリアできたと言うことに無理があるとは思えない。

結局のところ、霞ヶ関や永田町では、閣議決定の何とか条件というのは、アリバイづくりが大事なのである。

獣医師会も頑張って、一校だけ、しかも、既存の大学と競合せず、獣医学部が東日本に偏在しているなかで(ちなみに医学部は西日本偏在)、空白地域で交通もあんまり便利でないところで一校認めるだけでおさめたということで予定調和に収まったとしか見えない。

ところが、もともと、阻止で動いていた前川喜平氏が、名誉回復をねらって展開した満州事変的な行動のなかで、そういう霞ヶ関言語の解説などしても説得力がないのは、政府としては辛いところの様な気がする。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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