小池知事の就任一周年を迎えて。都民ファーストの「改革」機運は続くのか

こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

8月2日をもって、小池百合子知事が就任してからちょうど1年が経つことになりました。

1年前の今日のブログを読み返してみると、たった3人の都議で小池百合子知事を出迎えたことや、その際に起きた様々な事件がまとめられており、この記事は非常に沢山の方々に読まれました。

自分で読んでみても懐かしいですね。。

小池百合子知事の初登庁も、都議会自民党らが通例を破ってまさかの「出迎え拒否」!
http://otokitashun.com/blog/togikai/12196/

内閣改造のニュースに押され気味ではあるものの、各種メディアも就任1周年にあたっての談話や社説などを発表しています。また、小池百合子知事自身も、都庁にて訓示を行いました。

 

言うまでもなく、情報公開を改革の一丁目一番地においています。ホームページに掲載している都政情報の充実、それから審議会等の公開を拡大すること、公文書の閲覧手数料の廃止などはもうすでに実現をしています。都政の「見える化」ということが着実に進んでいるかと思います。その上で、都民目線で過去の課題を洗い出して、同時に、待機児童の解消、超高齢社会への対応、防災都市づくり、国際金融・経済都市を目指す取組、これまでに未来に向けた種まきも、この一年間で多々やってきたわけでございます。

(訓示より抜粋、強調筆者)

1年間の評価は色々とありますが、情報公開を始めとする改革が劇的に進み、私の任期4年間の中でも、圧倒的なスピード感を持って様々な政策が実現してきた1年だったと思います。

一方で、この最初の1年間は「ボーナスステージ」のような期間であったことも確かです。

前任者やあるいは都議会内の抵抗勢力といった、因習に囚われた古い政治勢力の「負の遺産」と向き合い、見過ごされてきた闇にスポットライトを当てれば、それだけで都民にとっては新鮮な衝撃となり、高い評価につながりました。

民間企業の営業成績などと同様、1年が経てば今度のライバルは「昨年の自分」となり、自分自身が課したハードルが大きく自分の前に立ちはだかって来ます。

さらには、都議会を知事支持勢力が過半数を占めたことで、

「抵抗勢力のせいで、改革が進まない」

という言い訳も許されなくなります。これから起こっていく事象はすべて、知事自身とそして都議会第一党である都民ファーストの会が、正面から受け止めていくことになります。

さて、先月、都議会議員選挙が終わりました。その結果、都議会の構成が大きく変わっております。人口減少や超高齢化を迎える中で、将来に安心と希望を持てる都政を、都民に見える形でしっかりと進めてほしい、このように思います。(中略)

都政に対しましての都民の注目度は、かつてないほど高い状況が続いております。そして、様々なスキルや専門性に富んだ議員が、今回たくさん誕生をいたしました。これからはですね、都議会からのチェックも、これまでとはちょっと違う切り口のチェックがいろいろと出てくると、このように思っております。また、そうあるべきだというふうに思います。都議会からは、様々な政策的な提案も次々と活発化することと思います。

そうした中で、今一度、私の言葉を職員一人ひとりの胸に刻んでいただきたいと思います。そして、この新しい議会の皆さんと共に、都民の期待に応える新しい都政を築いていただきたいと存じます。

訓示そのものは都庁職員に対して行われたものですが、議会の役割もますます重要になります。これまでの都議会を「ブラックボックス」とし、その改革をお約束をして、我々都民ファーストの会は多くの議席をお預かりしました。

これまで非公開だった会議は、公開されるのか。
質問が活発でなかった委員会は、活性化されるのか。
都庁や議会、会派にとって不都合な情報も、しっかりと共有されるのか。
利権団体とのしがらみを断ち切り、「都民ファースト」が実現されるのか。

こうした約束が果たされなければ、急速に改革への期待は萎んでいき、今度はお叱りを受けるのは知事と都民ファーストの会…ということにもなるでしょう。

これまでの都政や都議会における権力者は、自分たちに不都合な情報や事実はそもそも存在しないものとし、都民の目から遠ざけることで批判を躱してきました。公開どころか、議論の遡上にすらあげることなく、闇に葬ることを繰り返してきました。

この情報化社会において、そのようなやり方が通用しなくなったことが証明されたのが、昨年の都知事選挙からの1年間であり、また先の都議会議員選挙であったのだと思います。

小池百合子知事の訓示に「情報公開」という言葉が何度も出てくるように、党内議論が封殺されていた自民党都連の中にいた小池百合子知事自身は、その重要性を誰よりも認識しているのでしょう。

小池都政の1年は、辛口な評価や課題を抱えながら、それでも多くの方々に前向きな評価を得ました。都議会議員選挙から1年が経った後、

「都民ファーストの会も、なかなかやるじゃないか」

という評価を得られるかどうか、まさにこれからの議会運営・党内運営にかかってきます。

来年には確実に衆議院選挙がやってくる中、選挙がない都政への注目度は徐々に低下していく恐れもありますが、ぜひ皆様には引き続き都政と都知事、そして都議会に厳しいチェックの目を光らせていてほしいと、心から思う次第です。

もちろんのこと私も、自分の立場でできる限りの情報公開と政策実現の努力を続けて参ります。

それでは、また明日。

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 33歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、日本初のブロガー議員として活動中。

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編集部より:この記事は東京都議会議員、おときた駿氏のブログ2017年8月2日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。