トヨタはメキシコ人に「トランプのプレッシャーに屈した」と評価

2017年08月15日 06:00

india.comより引用(編集部)

8月4日、トヨタとマツダは共同で電気自動車(EV)の開発にあたることで合意した。その合意にはジョイント・ベンチャーとして16億ドル(1760億円)を投入して米国で新工場を設けることも含まれるとした。

その工場は2021年から稼働し、4000人の雇用、両社で年間30万台の生産体制にすることも明らかにされた。

この合意に、トランプ大統領はいつもの得意のツイッターで「トヨタとマツダが16億ドルで新しい工場を米国に建設する。4000人の雇用を生む。米国の生産業に大きな投資だ」と述べて歓迎した。

この合意を素直に受け入れられないのがメキシコである。なぜなら、トヨタはメキシコで現在建設中の工場でカローラの生産を予定していたが、この合意によってそれが中止となったからである。しかも、そのカローラが米国で生産されることになって二重の裏切だとしている。このプランの変更について、メキシコでは「トヨタはトランプ大統領のプレッシャーの前に屈した」と受け止めている。

代案として、トヨタは現在建設中のグアナフアト市の工場でカローラの代わりにピックアップトラックのタコマを生産すると発表した。この車種ではカローラ程の生産台数は期待できない。

当初、この新工場でカローラを生産すると発表していた当時、トヨタは2000人の雇用と、そして間接的に10000人の雇用が見込まれると発表していた。しかし、今回の合意で、需要の高いカローラがメキシコで生産されなくなると、トヨタが当初発表していた雇用プランにも変化が見られるようになるはずとメキシコ側では推察している。

今年1月にトランプ大統領はツイッターで、「トヨタモーターズはメキシコで米国向けにカローラを生産する工場を建設している。受け入れられない!米国で工場を建設するか、それとも国境で高関税を払うかだ」と綴って、彼の強硬な姿勢を表明した。

これに対して、トヨタは次のように答えた。「これまで米国に直接投資として219億ドル(2兆4100億円)を投入、10か所で生産工場を持ち、1500のディーラー、13万6000人の雇用という実績でもって米国の消費者により良いサービスと、また自動車業界の為にも、トランプ政権と協力することを期待している」という声明を発表した。更に、「2015年には、米国で生産された同社の16万台を世界40カ国に輸出した」ことも示した。

更に、トランプ大統領からのプレッシャーに屈していないという意味と、トヨタのメキシコでの生産に強い関心のあることを理解してもらうために、1月にトヨタは次のような声明を発表している。「メキシコのグアナフアト市で新しい工場を建設しているが、既に2015年4月に伝えたように、それによって米国での生産量と雇用が減少することはない」と。

トヨタのこのような一連の声明から、メキシコではトヨタはトランプ大統領のプレッシャーに屈することはないと誰もが考えていた。

しかも、フォードはトランプ大統領のプレッシャーの前に、メキシコで予定していた投資から撤退し、米国で生産を強化するとした。処が、新社長が就任するや、10億ドル(1100億円)の節約の為にメキシコで生産予定にしていたフォーカスを中国で生産することに決めたという経緯もある。この決定にメキシコでは相当に憤慨したそうだ。

同様に、空調大手のキャリアもトランプが大統領に就任する少し前に、メキシコへの投資から撤退することを発表していたが、結局、メキシコに投資することに決めたという例もある。

結局、フォードもキャリアもトランプ大統領のプレッシャーに屈することなく、自社の発展の為の道を選択したのであった。

ところが、今回のトヨタの決定はトランプ大統領のプレッシャーに屈したとメキシコでは見ている。トヨタの今回の決定について次にメキシコの紙面やジャーナリストのブログの見出しを紹介しよう。

hipertextual.com:「トランプのプレッシャーがあって、トヨタ・カローラはもうメキシコで生産されなくなる」

SINEMBARGO:「トヨタはメキシコでカローラをもう生産しない。米国工場に数十億単位の投資だ」

El Financiero:「トヨタはメキシコで急ハンドルを切った。カローラは生産されない。タコマになる」

Lopezdoriga.com:「世界で最も生産台数の多い車をトヨタはメキシコで生産しない」

Mundohispanico:「トランプのプレッシャーか?トヨタはカローラの生産をメキシコから米国に移す」

ジャーナリストのホアキン・ロペス・ドリガの上述ブログ「lopezdoriga.com」は、コメントとして、トヨタは市場を再評価した結果、メキシコでのカローラの生産プランを変更することになったと説明し、建設中の工場ではタコマを生産することが豊田章男社長より発表されたことを伝えた。更に、ミシシッピー州でカローラが生産されている工場とパーツの供給という意味で、その近くでメキシコで予定されていたカローラが生産がされる模様であることも言及。一方のマツダはクロスオーバーを生産予定にしていると説明を加えた。

メキシコでマツダは2014年に進出した関係で、まだ陰の薄い存在でしかない。今回の両社の合意についても、メキシコ人の注目を集めたのはメキシコを見捨てたトヨタの決定だけである。

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