バルセロナとカンブリルスのテロで14人が死亡

2017年08月19日 16:00

eldiario.esより引用

既に、日本でも報道されているスペイン・カタルーニャ州のバルセロナとカンブリルスで起きたテロ事件で、執筆時点(日本時間19日未明)まで14人が死亡、140人近くが負傷し、その内の16人は重体だという。死傷者の出身地は34か国に及ぶと報じられている。

スペインは2004年3月11日にマドリードの電車連続爆破テロで191人が犠牲者となっが、今回のテロ事件はそれ以来、国民を震撼させる事件となっている。

18日にバルセロナ市内にスペイン・フェリペ6世国王を始めラホイ首相、プッチェモン州知事らも集まって犠牲者に哀悼の意を捧げると共に、テロに屈せずこれからも民主政治と人権を尊重して行く社会を守って行くことを誓った集会がバルセロナで開かれた。

イスラム国かアルカエダがスペインをテロ攻撃の標的にしているという予測は1年程前からそのトーンが挙がっていた。理由はイスラム国が広報に使っているビデオにスペインのサグラダ・ファミリアの映像が映ったからである。これを切っ掛けにサグラダ・ファミリアに入場するのに並ぶ列の外側をガードで防禦するようになっている。

そして、先月7月30日にはイスラム国の広報が「スペインでカリフ(ムハマンドの後の最高指導者)を擁立するのだ。我々の領土回復だ。アル・アンダルスを攻撃するのだ、もし神がそれを望むなら」とツイートしたのである。それはスペインへの攻撃は間近だと伝えたツイッターであった。

更に、その危険性のあることを高めるかのように、米国CIAが6月に、ラス・ランブラス通りでテロ攻撃が起きる可能性があることをスペインの治安機動隊、国家警察、そしてカタルーニャ州の自治警察に伝えて来たのである。それをカタルーニャ州の代表紙のひとつ『El Periodico』が8月17日付で明らかにした。

イスラム国がなぜ「アル・アンダルスを攻撃して領土を回復するのだ」とツイッターしたのかということについて少し説明が必要であろう。

スペインがテロリストに狙われているのは先ず歴史的な理由がある。スペインはムスリムに700年近く統治されていたという歴史がある。当時のムスリムは現在のアンダルシア地方を基盤にしてイベリア半島の大半を支配していた。彼らはスペインを称ししてアル・アンダルスと呼んでいたのである。イスラム国がそのアル・アンダルスを攻撃してその領土を回復するのだという意味なのである。

バルセロナの1.2㎞のラス・ランブラ通りが今回のテロ攻撃の標的になったのは、サグラダ・ファミリアと同様にバルセロナの象徴の一つなのである。年間で3000万人以上がバルセロナを訪問するという。ラス・ランブラ通りはバルセロナを訪れる人が必ず訪問する場所なのである。年間で延べ1億人がラス・ランブラ通りを通ると言われている。

しかも、バルセロナがスペインでテロ攻撃を受ける最も危険度が高いという理由はバルセロナを首府とするカタルーニャ州には40万人のムスリムが住んでおり、それはスペインに住んでいるムスリムの20%に相当するというのである。更に、同州でジハードに影響を受けた危険度の高い人物だとされている者が9837人いるというのである。この人数は2番目に高いアンダルシア地方の4536人に比べ2倍である。それだけ、カタルーニャ州でテロ攻撃が起きる可能性が高いということだったのである。

その一方で、スペイン政府はテロ警戒レベルを4にして警戒体制を敷いていた。世界で公認されている最高レベルは5である。

また、具体的には今回テロ攻撃を受けたラス・ランブラス通りの歩道をコンクリートのブロックで囲むようにして、歩道の両側を通る車が歩道に突入できないようにする事をスペイン内務省はカタルーニャ自治警察に勧めていた。しかし、自治警察はそれを実施していなかった。

今回のテロ攻撃を未然に防ぐことは出来なかったが、カタルーニャ州では2012年からこれまでテロ攻撃を準備していたという容疑で62人が逮捕されていることも読者に伝えておかねばならない。

しかし、これからもスペインはテロリストの標的にされる可能性は十分にある。例えば、ブルッセルのEU本部にあるテロ過激化認知グループの調査によると、シリアとイラクで戦った外人テロリストの中でヨーロッパのパスポートを持っている者は5000人いるそうだ。そして、1200-3000人がヨーロッパに戻って来ると推察されているという。

1年前にフランスのニースで起きたトラック突入テロ事件から今回のバルセロナのテロ事件までテロ攻撃で車が凶器として使われた。これまで130人が犠牲者となっている。容易に借りることのできるレンタカーが凶器に変身するのである。その容易さから、警察がそれを取り締まって車によるテロ攻撃を未然に防ぐことは非常に難しいとされている。今回の事件もその難しさを示したテロ攻撃であった。

イスラム国が今回のテロ攻撃を祝福したツイッターに、「Baqiya 1-Barcelona 0」と記された。Baqiyaとは滞留するということを意味する用語だということから、スペインのテロ取り締まり関係当局ではイスラム国は今後もテロ攻撃を続けるという意味に受けて取って、警戒体制を更に厳重にして行く方針だという。

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