ロックフェスに何を期待するのか サマソニ派でもいいんじゃない

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今年もサマソニ。娘が生まれ、さすがに昨年までのように2日連続とか、前夜祭(ソニックマニア)ともう1日みたいのはできなくなったが。送り出してくれた妻に感謝。いつか家族で来たいな。これもまた、エステーさんの『赤毛のアン』同様、夏に少年に戻る1日なのだ。朝から晩まで音楽とビールにまみれる日。
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amazarashi→大森靖子(その前にちらりとたこやきレインボーを見てしまった・・・)→KUNGS→中田ヤスタカ&きゃりーぱみゅぱみゅ→TRF→ブラック・アイド・ピーズ→カルヴァンハリス。まるで10代の子が「元をとるぞ」と見るかのように、がっつり。


個人的に衝撃を受けたのは、amazarashiと大森靖子のステージで。amazarashiはステージ前方にスクリーンが張られており、リリックを常に投影しつつ演奏。歌詞の世界がよくわかり。映像も素敵。とってもクール。


大森靖子は明らかに椎名林檎なんかの影響受けているなあという。で、むしろ日本のロック、いま世界最高にロックになりえるじゃんと思ったり。


圧巻はTRFでみんなが知っている曲って強いよなあとか、ああ、彼女たちがいなかったら、EXILEもPerfumeもいなかったかもとか色々考えた。そう、今の方がより踊れる人、歌える人っていると思う。でも、それって彼女たちや、ZOOが築いてきたものだよなあ、とか。

で、よくあるフジロック派、サマソニ派論みたいのがあり、別に派でもないじゃんと思うのだが、私は、意外にも?サマソニ肯定派で。初期からほぼ毎年、通っており。圧倒的な非日常で音楽を楽しむのもいいけど、とはいえ、海があって、人工的だけど緑もあってそこそこ非日常感はあり。なんせ、普段、見本市や合同説明会で使っている幕張メッセが音楽であふれるというのは、十分非日常的だなと思い。

様々なジャンルが出るということも、これ自体が日本と世界のシーンの見取り図というか。音楽博覧会的でいいんじゃないか、と。過去現在未来をつなぐようなものになっており。

なんせ、音楽は手軽なものでもあって欲しいと思う派だ。いつでもそこにかかっているというか。達郎さんもそんなふうに言っていたような。

もっとも、「手軽」と言ったが、長距離の移動、宿泊を伴うフェス(フジロックなど)と比べると「相対的」に手軽なのであって、17000円+飲食費というのは10代、20代前半にはきついだろうなあ、と。

「フェスが、音楽シーンを駄目にしている側面があるんじゃないか」ということを尊敬するミュージシャンと議論したことがあって。営業用のセットリスト、演奏になるとか、このお金が他のライブや音源のお金を圧迫していないかとか。

とはいえ、楽しければいいやと思ってしまい。

というわけで、可能な限り、毎年サマソニ通いは続けよう。最高に自分らしい日なのだから。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2017年8月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。