東京都と特別区が民にお金と権限をお返しする都区制度大改革を!

伊藤 陽平

こんにちは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

昨日は、特別区の現状と課題というテーマで、特別区議会議員の研修が行われました。
基本的な都区制度から、先日もブログでご報告した児童相談所についてや、国民健康保険まで、様々な事案について確認させていただきました。

そもそも、特別区は東京都の内部団体としてスタートしたという経緯があります。
区議会議員が、「”東京都”新宿区議会」と名乗っていた時期もあったそうです。
これまでも地方分権の議論から自治権の拡充が行われ、平成12年にはついに内部団体から脱却し、特別区が法的にも自治体となりました。
しかし、今でも財源や事務など一般的な市町村と比べると権限が限られています。

これまで議会で問題提起を行なってきた都区財政調整制度についてもご参考に。

まだ東京都で消耗してるの?都区財政調整制度から脱し「新宿市」になれば自治権拡充かも!?

例えば、政策がそのまま財源に反映されれば、自治体も頑張って、住民の暮らしをよくしよう、あるいは街を成長させようと、さらにモチベーションが上がるでしょう。
基礎自治体は、国が決めた事業の窓口としての役割を担ってきた側面もありますが、地域の方たちで地域のために最適なお金の使い道を考えることになるでしょう。
あるいは、自治体によっては民間で課題解決を担うことができる場合もありますし、地域によって最適化することが必要です。

特別区を歩いていると、狭いエリアながら街の特徴が異なることを感じると思います。
例えば新宿区と足立区あるいは千代田区では街の状況は異なりますし、一律の制度が最も効率的とは限りません。

また、大規模な都市計画は、都が行うことになっています。
つまり、新宿区の案件であっても意思決定に関わる議員に対して、区民が投票の機会すらなかった可能性もあります。
そして、当選後はみな平等だと思いますが、都議会のドンなどという言葉もありました。
今の制度のもとでは会派内で序列が決まってしまえば、特別区全体に対して強大な権限を持った議員を生み出してしまうことにもなります。
こうした状況は、自治の精神からも望ましい状況だとは思えません。

これまでも都区間で協議を行ってきましたが、具体的な事務移管は保留状態で、具体的な改革のスピードは非常に遅いです。
児童相談所については江戸川区で悲惨な事件が起きてしまったことから改革が行われました。
つまり、その気になれば移管はできるということです。

その際に現行制度のままで区に丸投げするのではなく、都が改革を行うことも必要です。
具体的には、都の財政や人材も見直し、都のみにノウハウが蓄積されてきた状況も改善しなければなりません。

過去のブログもご参考に。

「移管」じゃないの?特別区(23区)児童相談所「設置」は現状困難

都は広域な事務に、区は地域や生活に関わる事務に専念できるよう改革が求められています。

都政に動きが出てきた今こそ、議論のチャンスです。
オリンピック等と比べてあまり目立たない分野ではありますが、小池都知事には都区改革に取り組んでいただくことに期待しています。
また、20代区議出身のおじま都議もこの分野についてよく理解されているため、議会活動を通じて前に進めていただきたいと思います。

区政では、みなさまからお預かりしてきたお金や権限を見直し、時代にそぐわない場合には手放し、お返しすることが求められます。
公費を使って、目立つ政策よりも区民の利益を第一に考えて、勇気を持って実務的な改革を進めていきたいと思います。

それでは本日はこの辺で。