テロ対策に苦闘する欧州教会

2017年08月27日 11:30

スペイン東部バルセロナで車両暴走テロ事件(8月17日)が起き、多数の犠牲者、負傷者が出たが、スペインのメディアによれば、モロッコ出身のイスラム過激テロリストは本来、バルセロナの有名なカトリック教会のバシリカ(サクラダ・ファミリア)を爆発する計画だったという。そのニュースが流れると、欧州のキリスト教関係者に衝撃を与えた。

▲ケルン大聖堂(ドイツ観光局のHPから)

▲ケルン大聖堂(ドイツ観光局のHPから)

ドイツのメディアでは、「ドレスデン(ドイツ東南部ザクセン州)にある福音主義教会の『聖母教会』がイスラム過激テロ組織『イスラム国』(IS)のテロ計画に入っている」という情報が流れている。なぜならば、ISのプロパガンダ・メディアに「聖母教会」が写っていたからだ。

ドレスデン市警察は「市内のキリスト教会やイスラム教モスクに対する緊急テロ情報はないが、その危険は常に囁かれてきた」という。市内の教会関連施設周辺には警察官が警備の目を光らせている。

バルセロナの白ワゴン車の暴走テロが起きた後、ドイツのケルン市当局はケルン大聖堂関係者と教会の安全問題で討議し、大聖堂に通じる通路に4トンの石の塊(アンチ・テロ塊)を設置している。ケルン警察当局は「大聖堂がテロに狙われているという直接の具体的な情報はない。いずれにしても、100%の安全は考えられない」と話している。
ケルン市のヘンリエッテ・レーカー市長は「市全体をバリケートで封鎖すれば安全だとは考えていない」と説明し、市民に理解を求めている。

ドイツの首都ベルリンで「ベルリン大聖堂」(Berliner Dom)を訪問する人はリュックサックや大きな手袋を持参できない。ベルリンの教会関連施設の安全対策だ。フランスの2015年パリ、16年ニースでテロが発生して以来、ベルリンでは安全対策が強化された。
ドイツ西部にあるアーヘン大聖堂は、フランス北部のサンテティエンヌ・デュルブレのローマ・カトリック教会で昨年7月26日、2人のイスラム過激派テロリストにアメル神父が朝拝中に射殺されて以来、警戒態勢を強化している。アーヘンでは、リュックサックやカバン持参で教会に入る場合、コントロールされる。

ただし、ハンブルクやミュンヘンの教会では特別な対応は施行されていない。市民が愛するハンブルクの「聖ミヒャエル教会」の場合、カバンのチェックもない。ミュンヘンの「聖母教会」でも同様だ。ちなみに、隣国オーストリアやスイスの教会関連施設の安全対策もハンブルクやミュンヘンと同水準に留まっている。

一方、ローマ・カトリック教会の総本山バチカン法王庁があるイタリアでは事情は異なる。バルセロナのテロ事件はイタリアでは大きな影響を与えている。ローマ、ミラノ、ボロー二ャ、トリノの歩行者用専用道路では入口にコンクリートのバリヤーが設置されている。教会前には兵士が警備。バチカンでは110人規模のスイス衛兵がローマ法王の警備に当たっている。
なお、25日のイタリア国営放送RAIによると、ISがイタリアとローマ法王フランシスコに対するテロ攻撃を予告するビデオ声明を公開したという。


編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2017年8月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。

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