弁護士が解説!メンタル不調者を通院させたいのですが

2017年08月31日 06:00

写真は「弁護士法人アディーレ法律事務所」のHPより

埼玉県の浦和に本社がある、埼玉食品商事(仮名)は主に食品を扱う専門商社である。近年は、商社自体が再編の波にさらされており業績は芳しくない。さらに、社員が離職してもなかなか補充ができないため、1人辺りの負荷が大きくなっている。

最近では、メンタル不調を理由に欠勤を繰り返す社員が増加傾向にある。同社の人事部長から、顧問弁護士に次のような相談があったと仮定しよう。

まずは人事部長の相談内容を確認しよう

--ここから--
当社では、体調不良を理由に欠勤や遅刻を繰り返したり、気分の浮き沈みが激しく大声で怒鳴るなどして、チームワークを乱す社員の存在が確認されています。ストレスチェックが施行されてからは、社員のメンタル面には十分留意していました。また、労組などとも協議して安全衛生委員会を立ち上げました。

過去にこのようなことはなかったので、社員のメンタル面が心配です。対象の社員には、近所にある心療内科や精神科の受診を促したのですが、受診する気はまったくないようです。このままでは、業務にも支障が生じるため、どうにかしたいところです。専門医の受診を強制することはできないのでしょうか。
--ここまで--

弁護士の回答を紹介しておきたい。まず、「業務命令」として、専門医の受診を命じ、受診結果を報告させることができるようだ。命令に従わない場合は、休職処分等を検討することも可能になる。会社には、従業員の安全を配慮し、快適な職場環境を保つ「安全配慮義務」があり合理的な理由がある場合には、これに従わせることができる。

人事部長が相談した内容であれば、会社は「業務命令」として、従業員に、専門医への受診を命じることができると考えられる。今回のケースでは、以前はなかった欠勤や遅刻を繰り返したり、チームワークを乱す行動が確認されている。当然ながら、メンタル面が心配され、受診を命じる合理的な理由があると考えられる。

しかし、この業務命令に従わないことも想定できる。職場で勤務させることは、本人のためにも、職場環境のためにも望ましくはない。休職命令を出して、復帰には「専門医の受診と、受診結果によっては治療を継続する」ことを条件とする。そのうえで、本人が受診するきっかけをつくることも検討すべきである。

ところが手順が適正でないと、休職命令は社員に不利益を与える。訴訟で、休職命令の有効性が争われた場合に、メンタル面での不調があったことを証明できないと無効にされる可能性も高い。そのため、行動記録(日報)をつけたり、産業医の診察を記録を残しておくことが望ましい。就業規則に追記してもいいだろう。

弁護士とのコネクションが必要である理由

今回は、『弁護士が教える! 小さな会社の法律トラブル対応』(あさ出版)を紹介したい。著者は、過払い金請求のCMなどでおなじみの「弁護士法人アディーレ法律事務所」である。本記事では、身近な労働問題を取上げたが、中小企業で発生しやすい内容がテーマ毎にわかりやすく解説されている。

また、アディーレ法律事務所は、現在、弁護士数が全国の法律事務所中第6位、スタッフ数は全国の法律事務所中第2位という陣容である。すべての事案に取組める総合法律事務所に様がわりしている。登録弁護士を見ると、比較的若い弁護士が目立つ。法曹業界にも、世代交代の波が押し寄せているようである。

法律家というと敷居が高そうに感じるが、弁護士はトラブルを未然に防ぎ、トラブルに巻き込まれても原則的に依頼者の味方になってくれる。いまはいつどのようなトラブルに巻き込まれるかわからない時代。いざという時に慌てないためにも、信頼できる弁護士とのコネクションを構築しておきたいものである。

さて、話は変わるが、3年半ぶりに出版をした。タイトルは、『007(ダブルオーセブン)に学ぶ仕事術』(同友館)になる。私にとっては9冊目の本になるが、社内の理不尽にジェームズ・ボンドが立ち向かう設定にした。ボンドなら社内の理不尽に対してどのように立ち向かい対峙するかをストーリー仕立てにした。

アゴラでは、「ビジネス著者養成セミナー」という著者希望者のためのセミナーを隔月で、「出版道場」という出版希望者のニーズに応えるための実践講座を年2回開催している。日頃、お世話になっている著者の方や出版社からのご協力もいただき、私も彼らが精魂込めて手がけた書籍紹介の記事を掲載している。

今回はそうしたなかで、記事や企画が編集者の目に留まり出版の実現にいたった。読者の皆さまへ感謝として報告を申し上げたい。

尾藤克之
コラムニスト

<アゴラ研究所からお知らせ>
<第7回>アゴラ著者入門セミナー開催(2017年9月12日)のお知らせ
次回は、9月12日(火)夜に開催します。著者セミナー、並びに出版道場へのご関心が高いことから、ご優待キャンペーンとして定額5.000円のところを、今回はキャンペーン価格3,500円でご優待します。お申込みをお待ちしております。
お問い合わせ先 info@agorajp.com

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