日本のこころが開講する政治塾「経綸塾」とは

小池百合子東京都知事率いる政治塾「希望の塾」、小池知事の側近と言われる若狭勝衆議院議員が開催する予定の政治塾「輝照塾」、さらには自民党が毎月最終金曜日のプレミアム・フライデーに開催する政治女子会「プレミアム・ウィメンズクラブ」など、様々な政治塾が賑わいを見せています。選挙ドットコムでもこれまで、「政治への関心を高める企画は応援したい!」と、ニコニコ超会議での各党のブースへの潜入取材、さらには自民党の政治塾への潜入取材も行ってきました。
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そんな中、初代・拉致問題担当大臣の中山恭子参議院議員が代表を務める政党「日本のこころ」も、政治塾「経綸(けいりん)塾」を9月30日(土)より開講することを発表。そして、日本のこころさんから「選挙ドットコムは大きな政党の政治塾にしか潜入しないのですか?(笑)」との連絡をいただきました。…そんなことありません!ぜひ取材させてください!

ということで、今回は、「経綸塾」を始めることになった背景や、塾に込める想いなどを代表の中山恭子氏にお伺いしました。
(選挙ドットコムでは各党の活動を応援しています。政治塾やイベントなどがありましたらご連絡ください)

改憲議論がトーンダウン。憲法について議論できる政治塾がより重要に

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「経綸塾」の塾長も務める「日本のこころ」中山恭子 代表

-選挙ドットコム編集部(以下、編集部)
政治塾開講にあたって、お声がけいただき、ありがとうございます!まさか中山代表が直々に取材を受けてくださるとは思いませんでした…!
はじめに、経綸塾を始めようと思ったきっかけを教えてください。

-中山恭子代表(以下、中山代表)
今年の4月に日本のこころが、自主憲法草案というものを発表したことが大きいです。日本のこころでは、「自主憲法の制定を目指すこと」を基本政策の1番目においてきましたし、私自身にとってもライフワークの1つで、政治家の役割と自認し、これまで一貫して取り組んできました。

-編集部
以前のインタビューでも、「今の日本国憲法はGHQによって作られたもので、独立国家として憲法は国民の手で作り直さなければ」との想いから、何度も勉強会を重ねて草案を発表されたとおっしゃっていましたね。

-中山代表
はい。戦後70年過ぎて国際情勢も大きく変わり、激動といえるほどの動きが世界で起きている中で、現行憲法は時代にそぐわない部分も多いと感じます。
日本が独立国家として、「国内の調和のとれた明るい社会をつくれるように」という憲法草案にも反映させた想いを、多くの方々と一緒に考え、議論する機会を広く設けるため、「経綸塾」の開講を決めました

-編集部
安倍首相は5月3日に、2020年に改正憲法の施行を目指し、今秋の臨時国会では自民党改憲案を提示する考えを表明していました。ですがその後、内閣支持率の低迷や都議選での自民党の議席減を受けて、改憲に対して前向きな発言が止まっています

実際に憲法を改正するかは判断の別れるところですが、その前に「憲法は国家の骨格を決めるものだから、議論は続けるべきだ」との意見もあります。その意味で、安倍首相が憲法について積極的に触れられなくなっている今の時期に憲法の議論を行える政治塾を開講することは、意義があるのかもしれませんね。

-中山代表
自民党の改憲議論を意識してこの時期に開講したわけではありませんが、憲法は国家の基本となるもので、とても大切で、議論を続けることは必須です。そのため、日本のこころが憲法について発信をしていくことの重要性が増しており、その意味でも塾はこの時期にやるのが良いと考えています。

議論を深める塾にしたいから「考え方が違う人」も大歓迎

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-編集部
恥ずかしながら日本のこころの政治塾「経綸塾」の名称にある「経綸(けいりん)」という言葉を初めて知りました。どのような意味が込められていますか?

-中山代表
五箇条の御誓文(編集部注:明治天皇が示した政府の基本方針)の2番目のところに経綸という言葉が出てくるんです。
「経」は縦糸、「綸」は太い糸・しっかりとした糸という意味があります。(ひとつひとつ糸を編むように)間違わない道筋をつくってゆく、ものごとの道筋・道理を国としてどうつくっていくかを考えてゆく、そんな場にできたらという想いで、この名前をつけました。

-編集部
憲法への想いをベースに、改めて、よりよい日本を目指すための勉強・議論の場という位置づけなのですね。

-中山代表
はい、なるべくたくさんの方にご参加いただき、議論をしていきたいと思っています。色々な考えをお持ちの方にいらして欲しいので、政治家を志望しているかは不問ですし、私たちの党の考えに「賛同していない方」でも大歓迎です。場合によっては他党の方でも歓迎です!

人間はいろいろな意見を持っているのが自然でしょう。ですから、様々な意見を持っている方に参加していただきたいです。極端な例ですが、憲法改正に反対の方がいても構いません。学ぶ意思・議論を深める意思を持っている方であれば、お互いに知識や考え方を高め合うことができるでしょう。

-編集部
予定されているテーマも幅広く、講師の方々も外交評論家の加瀬英明先生麗澤大学経済学部教授の八木秀次先生カリフォルニア州弁護士でタレントのケント・ギルバート氏など豪華ですね。

-中山代表
講師は皆さん、ご自身の考えをしっかりと持たれており、私から見て尊敬できる方々です。そういう講師の方々のお話を、参加者のみなさんはたくさん吸収して、得たものを周りにもたくさん広めていただきたいです。

また、私のメインテーマが「日本の文化」ですので、どこかで私から文化についてお伝えできればとも思っています。

日本の素晴らしさを見直し、新しい社会をつくってゆく機会にしたい

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-編集部
受講料は全6回で1万円(大学生・院生は5,000円)となっていますが、講師一人一人の講演会に参加する料金と比較すると、日本のこころの政治塾「経綸塾」に参加する方がお得かもしれませんね。

-中山代表
あらゆる世代の、たくさんの方にいらしていただきたいので、このような値段にしています。党としてもこの塾を収入にしようなどとは一切考えておらず、みなさんとの勉強・議論の場にするのが目的です。私たちの党の考えを伝えるというよりも、「お互いに学ぶ場」のイメージですね。

また、講師の先生方も予定している講義時間の1時間では収まらないくらい知識が豊富な方なので、気が早いですが、2期3期と続けていける機会があればいいなと思います。
現在予定されている以外にも、素晴らしい講師の方を呼べるよう準備中です。

-編集部
特に「こんな方に塾に参加して欲しい」という想いや選考でのポイントなどはありますか。

-中山代表
本当にどんな方でもウェルカムなのですが、強いて言うと若い方は考えが柔軟で、先生方・ほかの参加者の意見を吸収される素養があると思いますので、ぜひ積極的にご応募いただけると嬉しいです。

選考でも、(現段階での知識有無ではなく)学ぶ意欲を重視したいです。みな似たような考えでもつまらないので、まったく違う考えの方たちが集まってくれたら嬉しいです。

-編集部
最後に、「経綸塾」に興味をお持ちの方に向けてメッセージをお願いします。

-中山代表
参議院議員2人の小さな党・日本のこころが開く塾ですので、大々的なことはできないかもしれませんが、質にこだわり、日本の素晴らしさを見直し、みなさんと新しい社会をつくってゆく機会にできれば幸いです。

「経綸塾」の詳細についてはこちらをご覧ください。