まちづくりと公共図書館

2017年09月01日 06:30

日本ファシリティマネジメント協会の機関誌「JFMAジャーナル」の最新号の特集は『まちづくりを担う公共図書館とFM』だった。

本の貸し出しを主目的としてきた公共図書館の役割が総合文化センターへと変わり、まちづくりや地域振興に役立つ事業が全国で実施されている。特集は八つの事例を取り上げている。農業支援に力を入れる紫波町図書館や、生涯学習センター・市民活動センター・青少年センターと複合化した武蔵野プレイスなど、特集が紹介する事例は興味深い。

日本図書館協会の森茜理事長も寄稿しいるが、寄稿の大半は「図書館は指定管理者制度にはなじまない」という主張に費やされている。最大の理由は、司書という専門職の雇用維持であった。なお、「JFMAジャーナル」の主要部分はネット上で無償公開され、森氏の寄稿も無償の範囲に入っている。

日本図書館協会はかねてより指定管理者制度に反対してきた。しかし同協会の2015年調査でも、13.2%の公共図書館ですでに指定管理者が導入されている。特集で取り上げた八つの事例では、紫波町・武蔵野市・武雄市・恵庭市は指定管理者、岐阜市・伊万里市は公共による直営で、瀬戸内市は指定管理者を直営に戻した特異な事例、「ふなばし駅前図書館」は民営であった。ファシリティマネジメントの観点で注目された事例の半数が指定管理者というのが実態なのだ。

どうして、日本図書館協会は指定管理者反対から先に歩み出さないのだろう。民営の「ふなばし駅前図書館」のような試みさえ始まっているというのに。ちなみに、この図書館では蔵書は市民から寄贈され、ベストセラーも並ぶ。図書館の利用は無料である。

「JFMAジャーナル」が特集したように公共図書館をまちづくりの拠点とする試みが全国で動き出している。その図書館の運営に、いっそう指定管理者制度が利用されていくだろう。

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