年収500万円の人が買える新築マンションは「5300万円」

2017年09月01日 11:30

日本経済新聞によれば、首都圏の新築マンションの平均販売価格のサラリーマンの年収に対する比率は、5年ぶりに低下し、10.68倍になったそうです(図表も同紙から)。

一方で、マンションの平均価格の年収に対する比率は、7.13倍。こちらは上昇して23年ぶりの7倍台です。新築が高くなりすぎて、中古にシフトしたのが原因とされています。住宅ローン金利もこれ以上は下がりにくいでしょうから、サラリーマン向けの新築物件の価格上昇は、頭打ちと言えるでしょう。ただし、これが不動産価格全体と捉えるのは早計です。

首都圏のマンションマーケットは、3つに分けることができるからです。サラリーマンの実需購入マーケット以外に2つあります。

1つは富裕層マーケットです。1億円を超えるような東京の中心部の高級物件は、起業家、企業経営者や医者・弁護士といった、高収入・高資産の人たちがターゲットです。彼らは、自己資金も手厚く保有しており、現金購入も珍しくありません。「良いものなら買う」というスタンスで、年収は関係ないのです。

富裕層マーケットは相続税対策でのタワーマンションの購入は一服したようですが、都心の優良物件の人気は相変わらず高いようです。価格よりも、立地やクオリティ重視ですから、良い物件があれば販売に苦労することは無さそうです。

2つ目は投資家マーケットです。実需ではなく投資目的で物件を購入します。借入を返済するのは、自分の年収ではなく家賃収入になります。家賃収入と借入の兼ね合いで、投資判断をします。金利が下がり、長期の借り入れができれば、不動産価格が上がっても投資としては採算が合うのです。

アパートローンの融資抑制の影響を受けて、一棟ものの融資は間口が狭くなりました。しかし、中古ワンルームマンションは相変わらず、ソニー銀行、オリックス銀行、クレディセゾンといった金融機関が頭金10万円程度からほぼフルローンで融資を出しています。一定以上の年収があれば、ローンを返済するのは賃借人です。こちらも、金利が下がらないと価格は上昇しにくくなっていますが、融資環境が変わらなければ、価格は下がりにくいと思います。

「不動産は・・・」と雑駁(ざっぱく)に一括りにするのではなく、3つの購入層を分けて、それぞれを分析していくことが大切だと思います

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年9月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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内藤 忍
資産デザイン研究所社長

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