いまシニア(高齢者)でブームの健康体操とは?

尾藤 克之

画像左が簗瀬氏。【健康体操】朝だよ! ごぼう先生」より

内閣府によれば、2013年における65歳以上の有訴者率は466.1/1000人と、半数近くの人が何らかの自覚症状があることがわかる。さらに、日常生活に影響のある率は、258.2/1000人と、有訴者率のおよそ半分になる。いま、介護問題は社会の中で大きなうねりとなって、私たちのまえに立ち塞がろうとしている。

今回は、『ごぼう先生と楽しむ大人の健康体操』(あさ出版)を紹介したい。著者は、簗瀬寛 (以下、簗瀬氏)、2017年から、スカパー!で「【健康体操】朝だよ! ごぼう先生」が放送開始、高齢者を中心に評判になっている。監修は白澤卓二(元順天堂大学大学院加齢制御医学講座教授)がおこなっている。

介護事業を志す契機とは

この本のどこに価値があるのか。まず、私は介護の専門家にスポットが当たった本を見たことが無い。これだけでも相当な価値がある。私も障害者支援団体を運営していることから福祉や介護の状況は理解しているが、どうしてもネガティブな暗いイメージがつきまとう。いままでは、介護の専門家が注目されることは少なかった。

「私には2つの顔があります。デイサービスを経営する経営者の顔。もうひとつは、作務衣を身にまとい、『介護予防』をテーマに健康体操を行う顔です。これまで、北は北海道から南は長崎・五島列島で全国300か所以上にお招きいただき、10000人以上のシニアの方々と一緒に健康体操をしてまいりました。」(簗瀬氏)

「日本人の平均寿命は、男性が約81歳、女性は約87歳となっています。高齢化になると介護が大きな負担になることから、不安視する声もあります。ですが、歳をとることは悪いことばかりではありません。シニアの世代を活性化することで明るい未来をつくり出すことができると考えています。」(同)

介護をはじめたきっかけとは?私は小学校の頃にボランティア活動をはじめたことがきっかけになっている。いまでも障害者支援をライフワークとしておこなっている。

「小学校6年生のときにボクシングを始め、インターハイや国体に出場しました。あのオリンピック金メダリストと同じリングに立ったこともあります。ボクシングを始めてからは、ケガ、特に腰痛に悩まされました。そんなときに出会ったのが鍼灸治療でした。21歳のときに国家資格を取得し『やなせ訪問鍼灸治療』を開業します。」(簗瀬氏)

「『介護うつ』という言葉があるように、介護が家族にとって大きな負担になっているという現実があります。この部分をサポートすることで、負担を軽くすることができる。それは、家族を支えることにつながるのだと考えるようになりました。」(同)

介護の答えが見つかる一冊

「鍼灸師として訪問治療を続けるかたわら、休みの日は地域のデイサービスに出向き、高齢者の方と一緒に『体操』をするボランティア活動を始めることにしました。その後、社会福祉主事と障がい者スポーツ指導員資格を取得しましたが、多忙のため『体操』のボランティア活動ができなくなってしまいました。」(簗瀬氏)

「多くの方に見てもらうために、『健康体操の動画』をつくり、YouTubeで紹介したり、DVDにして届ける活動を始めましたが、これが反響を呼びました。この過程の中で生まれたキャラクターが『ごぼう先生』です。」(同)

本書は、全国300か所以上、10000人超のシニアと出会ってきた中で知ったこと、今の活動をするに至った理由などが詰まった1冊である。健康な身体になりたい人、親の介護に悩んでいる人、探している答えが見つかるだろう。なお、記事として「健康体操」を伝えることは難しいので、関心のある方は動画をご覧いただきたい。

さて、話は変わるが、実は約3年半ぶりに出版をした。タイトルは『007(ダブルオーセブン)に学ぶ仕事術』で、私にとっては9冊目の本になる。アゴラでは、「ビジネス著者養成セミナー」という著者希望者のためのセミナーを隔月で、「出版道場」という出版希望者のニーズに応えるための実践講座を年2回開催している。

私は、著者や出版社から献本されたなかで、ニュースとして相応しいものを紹介記事として掲載している。今回はそうしたなかで、記事が編集者の目に留まり出版にいたった。読者の皆さまへ感謝としてご報告を申し上げたい。

参考書籍
ごぼう先生と楽しむ大人の健康体操』(あさ出版)

尾藤克之
コラムニスト

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