海外では厳しい罰則もある、車イス駐車場の利用マナーを考える

こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

昨日(15日)は経済港湾委員会(報告・説明のみ)が行われた後、障害者政策に熱心に取り組む龍円都議(渋谷区選出)のご紹介で、

「車イス駐車場に停めません」キャンペーン

を行っている当事者の皆さまからお話を伺いました。

公共施設の駐車場や高速道路のサービスエリアなどでは、出入り口付近など便利なところに優先的に駐車ができる、車イスマークのついたスペースが確保されています。正式名称は「路外駐車場車いす使用者用駐車施設」。

残念ながら日本では、健常者の方がこの優先スペースを使ってしまう光景が後を絶ちません。ちょっとググってネットを見るだけでも、

「空いてる時は使ってもいいでしょ、必要なときに譲ればいいんだし」

というような意見も散見され、驚くばかりです。電車の優先席と違い、車の駐車でそんな迅速な対応が不可能なのは自明の理だと思うのですが。。

そして車イスの方々にこのような専用スペースが設けられるのは、単に入り口が近いところに優先的に…ということだけではなく、そもそも横幅3.5mなければ車椅子ドライバーが乗り降り不可能だからです(一般の駐車場は概ね2.5m)。

「空いてるから、ちょっとくらい」
「障害者も平等に遠い距離を歩くべき!」

とかではなく、まったく健常者とは異なる事情があるわけですね。

ちなみにアメリカなどの海外では、こうした障害者優先スペースを健常者が不正利用した場合、罰金刑などに課されるところもあります

しかしながら日本ではもっぱら、モラルや常識に委ねられているのが実情です。なんでもかんでも罰則を設ければ良いというわけではありませんが、2020年パラリンピック大会を控える東京都では特に、こうした残念な状況や価値観を変えていかなければならないでしょう。

そこで、車イスや障害当事者の方々が1996年からスタートしているのがこのキャンペーンで、有料でステッカーを配布するなどしながら、人々の普及啓発に努めているそうです。

「スタート当時から比べると、みんなの意識もだいぶ変わってきた」

とのことですが、それでも優先スペースの不正使用はまだまだ多いのが実情で、まさにこの日も障害者マークが特についていない車が都庁駐車場の優先スペースに停車しており、停めるところを見つけるのに苦労したそうです。

うーん、なんだか申し訳ない…。

ちなみに皆さまのお話によると、このキャンペーンに政治家の中で一番最初に賛同・署名してくれたのが、何を隠そう当時国会議員であった小池百合子知事であったそうな。

「人々の意識を変える」というのは一筋縄ではいきませんが、我々も微力ながら、こうした活動が皆さまに伝わるようお手伝いしていきたいと思います。

それでは、また明日。

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 33歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、日本初のブロガー議員として活動中。

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編集部より:この記事は東京都議会議員、おときた駿氏のブログ2017年9月15日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。