これは、石破さんを困らせるための仕掛けかも

早川 忠孝

こういう筋悪なことをしても内閣支持率が上がる、というのだから不思議なものである。

NHKが解散だ、とニュースを流したら、あっという間に皆さんがその気になってしまった。
さすがにNHKだと思うが、やはり筋悪なことは筋悪だとマスコミの皆さんが言ってくれないと、安倍さんも官邸も暴走してしまう。

官邸のマスコミ対策が相当利いているのだろうが、さて現時点で自民党の中では一番まともな論陣を張られるお一人の石破さんは何と言ってこの筋悪路線に対処するのだろうか。

とにかく、フェアではない。
今衆議院の解散・総選挙はやるのは、多分来年の自民党総裁選挙で確実に三選出来るような環境を整えようという保身的な発想から出ているのだろうが、さて、石破さんはそういうことに堪えられるだろうか。

石破さんは大義を重んずる人だから、大義のないことを強引に押し進めるようなことはしないと思うが、目先の勝利に拘る人は手段を選ばない、時を選ばないことがあるから、安倍総理がこの段階で衆議院の解散・総選挙を示唆し、与党の幹部に準備を支持したというニュースを聞いて苦々しく思っているはずである。

自民党の中にも良識的な人たちはそれなりにいる。
ただし、そういう人は面と向かって総裁や執行部の人たちと激論を戦わすようなことはしないから、結局は勇ましい人たちの言いなりになってしまう。

石破さんや村上さんは自民党の中の正論派だろうと思っているが、さて安倍さんの解散示唆発言に対してどう態度を表明されるか。

こういう理不尽なことはすべきでない、と抗議して席を立ってしまうかどうかの大事な問題ではないかと思っている。
石破さんが、今、それなりに窮地に陥っているのは確かである。

私は、石破さんが自民党を割って小池新党の旗頭になってくれるのを密かに期待しているのだが、さて、石破さんはどう動くか。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年9月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。