「地方格差ゼロ」をなぜ希望の党はいわない

2017年10月07日 20:30

「12のゼロ」を掲げた小池氏の記者会見(希望の党ツイッターより:編集部)

希望の党のなんとかのゼロを見ていると、議席30程度の小政党としてなら面白い存在になると思う。あるいは、参議院の比例にこの公約で小池さんが立候補していたら投票したくなる。かなり多くの人が、これだけでもやってくれたら、一票を投じる値打ちありと思うのに、政府がさぼってきたものが入っている。「花粉症ゼロ」なんかまさにそうだ。

しかし、北朝鮮情勢がこういうときに、なんらのメッセージもないとか、政権を狙うというならちょっとがっかりだ。

やっぱり安倍首相がしばらくは、そのままの方がいい。それが安泰だと安心できる情勢なら、旧民進党よりましだし、立憲民主党などとんでもないから、希望の党に入れておこうかとかいう人が多くなるのかも知れない。

それは、ともかく、希望の党の12のゼロと、東京ファーストの7つのゼロを比べて、重大なことに気がついた。

東京ファーストの7つのゼロのうち、「満員電車ゼロ」「ペット殺処分ゼロ」「待機児童ゼロ」「電柱ゼロ」はほぼそのまま入っているし、「ブラック企業ゼロ」は「残業ゼロ」というかたちで入っている。

新しく入ったのが、「原発ゼロ」「受動喫煙ゼロ」「隠ぺいゼロ」「花粉症ゼロ」「企業団体献金ゼロ」「移動困難者ゼロ」「フードロスゼロ」だ。

ところが、「介護離職ゼロ」「多摩格差ゼロ」に当たるものが消えている。「介護離職ゼロ」がなぜ消えたかは知らないが、気になるのは、「多摩格差ゼロ」に対応するはずの「地方格差ゼロ」がないことだ。

どう考えても「多摩格差ゼロ」よりは、「地方格差ゼロ」の方が重要だし、東京都知事として地方をないがしろにするのでないかと危惧されている小池さんにとって、東京一極集中や地方格差の解消は、もっともアピールする必要があったポイントのはずだ。

さらに、「満員電車ゼロ」というなら、まず、安倍内閣が掲げている東京の大学の定員増を認めないという方針に両手を挙げて賛成すべきなのに反対している。そもそも、小池さんの7つのゼロは、東京一極集中や地方格差の解消でかなり簡単に実現できるものなのだ。

地方の人はこの党がどういう方向を向いているのか分かるはずだ。地方の人にとっては、「東京ファースト」どころか「東京オンリー党」らしい公約で、「希望の党」どころか「絶望の党」そのものだ。

この12のゼロのもとで、地方の候補は本気で戦うのか。また、候補者の決め方が気にいらないとか、公認がとれなかったので「無所属で出馬するが、比例は希望の党に」といっている候補者は、政策については、希望の党のものを支持しているというのが論理的な帰結だろう。無所属で出るなら、比例も意思表明をしないほうが筋だと思う。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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