当選は自分の実力、落選したら小池さんや前原さんの責任?

2017年10月26日 06:00

2015年の安全保障関連法案の採決時の様子

10月24日に民進党が開いた参院議員総会で、衆院選の結果を踏まえて、前原誠司代表の責任を問う声があがった。10月25日には希望の党の両院議員懇談会にて出席者から、総選挙惨敗をめぐり、小池百合子党首の代表辞任を求める声が噴出した。しかし、文句を言うなら、なぜ「希望の党」の公認で出馬をしたのだろうか。

いま、10月25日の20時をまわった頃、この記事を書いている途中である。民進党の参院議員総会、希望の党の両院議員懇談会が終了したことを受けて、1人の有権者として思うところがあり、私見を述べさせていただくことをお許しいただきたい。

選挙後の「たら‐れば」は意味がない

「立憲民主党から出馬していたら当選できていたのに」とでも言いたいのだろうか。政治家にとって「たら‐れば」は意味がない。候補者に公認は死活問題だ。公認になれば選挙資金が配分され支持団体からの推薦が取り易くなり選挙戦を有利に展開することができる。公認の結果が期待値に届かないことで、後付けで文句を言うことは見苦しい。

なかには、「希望の党」の公認を得られなかった人もいる。その方々がまったく浮かばれない。希望の党は比例で9,677,524票(17.36%)を獲得した。この数字を重いものと考えていないのだろうか。小池代表の「排除発言」を問題視するが、それは「他責」にほかならない。多くの候補者は、小池代表の「威光」にすがっていたのだから自己責任である。

2012年12月の選挙で民主党は大敗した。現役閣僚8名が落選する歴史的大敗である。選挙後、野田総理や党の責任を批判する発言が噴出した。岡田副総理は「最終的には自分の責任。執行部や他人の責任にするところから改めないと、この党は再生できない」と発言した。同じ民主党のなかでも実力のある人は選挙区で当選を果たしている。

今回の、前原代表や小池代表への責任追及の様子を見る限り、2012年の民主党の大敗の時から、なにもかわっていないことが理解できた。所属する人の顔ぶれはかわらない。意識変革を期待していた有権者も多いはずだが、この様子を見て残念に思ったのではないか。元大阪府知事の橋下氏は選挙後に次のようにツイートしている。

「小池さんと前原さんにとっては敗北だろうが、民進党を2つのグループに整理し、政党を行ったり来たりするチョロネズミが駆除され、今後の国会においては憲法改正論議や安全保障論議が現実的なものになるという結果を生み出したことは日本にとって良かった」。橋下元知事らしい辛口コメントだが極めて正論であると感じた。

他責に終始する人は、当選したのは「小池代表のおかげ」「自分の力ではない」と露呈しているようなものだ。比例で9,677,524票(17.36%)を獲得した重みを理解していただきたい。小池代表は、国民の声をないがしろにする人を「排除」すべきではないか。また、民進党で選挙戦に突入していたケースとの比較なども検証したほうがよいだろう。

有権者は政治家の「信」を見ていた

人にはそれぞれ言い分があることは理解できる。しかし、今回の敗戦は「排除」ではなく、前言を覆したことにあると考えている。それは、「信」の問題ではないだろうか。孔子は、「信」を捨てたら人ではないと、論語(顔淵第十二)のなかで記している。弟子に対して、「信」を捨ててはいけない、それを捨てたら人ではないと諭しているのである。

緊張が高まる北朝鮮情勢を踏まえれば、安全保障に対する姿勢は重要な争点になる。政治とは言葉であり信がなければ成り立たない。民進党の議員が必死に反対した安保法制。怒号をあげてプラカードを持ち委員長席に詰め寄った。テレビには「強行採決反対!!」「自民党感じ悪いよね」の文字が躍る。国会前でデモに参加した議員もいた。

今回、希望の党に移籍をした議員は、過去との整合性が問われていた。当時、多くの議員は「魂は売れない」と安保法制に猛反対した。ところが、「小池人気」にあやかろうと、前言を覆し「希望の党公認」として名を連ねてしまった。有権者はこの辺りの「信」について、冷静に判断をしたものと思われる。

有権者のなかには、テレビのインパクトをいまだに覚えている人が少なくなかった。選挙の結果はすでに覆りようがない。過去に執着して批判をするのではなく、代表を支えて、希望の党の理念を遂行したいという気概のある方はいないのだろうか。また、前原代表、小池代表以外にこの局面を打開できる人がいるとも思えない。

先ほど、小池代表が続投する報道を聞いた。「私は創業者としての責任があるということで、続けていきたいと思っております。ただ、国会の代表については、議員の皆さんでお決めいただくということです」。小池代表の続投宣言は英断といえる。辞めるよりも、留まって職責を果たす決断は非常に重い。

なお、大変せんえつではあるが、私はあくまでも中立な有権者の立場で投稿していることも申し上げておきたい。有権者も選挙戦を冷静に観察していたということである。

追記

アゴラに投稿いただいている、元衆議院議員の早川忠孝氏、元参議院議員の松田公太氏も同じような見解である。紹介しておきたい。

早川忠孝氏「今、希望の党に必要なのは、壊し屋ではなく組織の纏め役
松田公太氏「小池叩きに違和感

橋下元知事のツイートも的を射ているのでこちらも参考まで。


「どこもかしこもろくでもない国会議員が多すぎる。小池さんの責任を口にすれば自分たちが有権者にどう映るのかの想像力もない。こんなことをやればやるほど希望は消滅に向かう。小池さんの看板がなければお前らのほとんどは落選してたんだよ!小池さんを批判するのは有権者だ。」(原文ママ)

参考書籍
蓮舫VS小池百合子、どうしてこんなに差がついた?』 (ワニブックスPLUS新書)

尾藤克之
コラムニスト

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