【映画評】先生! 、、、好きになってもいいですか?

映画「先生! 、、、好きになってもいいですか?」オリジナル・サウンドトラック

島田響は、初恋も未経験の内気な女子高生。ふとしたきっかけで、隣のクラスの担任で世界史の教師・伊藤と言葉を交わし、生まれて初めて恋心を抱く。ぶっきらぼうだが生徒思いの優しい教師の伊藤に思い切って自分の気持ちを伝えた響だったが、伊藤は教師と生徒という立場から、響の思いには答えられないと告げる。だが、響の純粋でまっすぐな思いは次第に伊藤の心を動かしていく…。

ぶっきらぼうな教師に初めて恋をしたピュアな高校生の恋を描く青春ラブストーリー「先生! 、、、好きになってもいいですか?」。原作は「高校デビュー」「青空エール」「俺物語!!」など、実写映画化作品が続く人気漫画家・河原和音のコミックだ。教師と生徒の恋というモチーフは、その立場の違いから、シリアスになる場合が多い。だが本作は、どろどろの展開ではなく、思いを伝えようとする響と、思いを封印しようとする伊藤の、揺れ動く気持ちに焦点を当てたのは好感が持てる。しかしあまりにも現実離れしたお話に、がっかりしたのも事実だ。

もしやこれはファンタジー?!と思うほど、ありえない場面やせりふが続くので、気恥ずかしくて微苦笑を禁じ得ない。特に後半の展開は雑すぎてファンタジーにすらなっていない。響に思いを寄せる藤岡君のエピソードは中途半端なままだし、「好きになっちゃいけない人なんていない」というせりふには思わずツッコミを入れそうになった。せめて、純粋でまっすぐな思いが人を傷つける意味だけでも、もう少し掘り下げてほしかった。それでも、現実には存在しないからこそ、こんなピュアな恋愛を信じたいと願う大人もいるのだろうか。女優を魅力的に撮ることで定評がある三木孝浩監督は、淡く柔らかな光の中に響役の広瀬すずを置いて、最高に可愛らしくスクリーンに焼きつけている。
【45点】
(原題「先生! 、、、好きになってもいいですか?」)
(日本/三木孝浩監督/生田斗真、広瀬すず、竜星涼、他)
(現実離れ度:★★★★★)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2017年10月30日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は公式Twitterから)。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。