日馬富士問題で考える”勇気ある撤退”の重要性

2017年11月20日 06:00

Wikipedia:編集部

横綱日馬富士の傷害事件が話題になっています。
現時点での報道では、喧嘩ではなく一方的な傷害行為だったようで、貴乃花親方は弟子のために損害賠償訴訟を提起するとも報じられています。

世の中に揉め事は絶えないのですが、絶対に避けるべき喧嘩相手というものが世の中にはたくさんいます。

人気の少ない道路等で力士やプロレスラーのような体格のアブナイ人間に絡まれたら、勇気を持って立ち向かうのではなくひたすら逃げるのが正解です。

そういう輩は賠償金を持っていないことが多いですし、仮に傷害罪で警察に捕まってもあなたの怪我が癒えることはありません。
たとえ一発殴られたとしても、”勇気ある撤退”を選ぶ方がはるかに賢明でしょう。

会社勤めであれば、影響力の大きい上層部の人と喧嘩をするのも損をするだけで得られるものはありません。
「自分のほうが正しい」と思っていても、喧嘩となればタテマエは両成敗、実質的には影響力の弱い者が割を食います。

とりあえず相手に謝罪して”勇気ある撤退”をしておくのが賢明です。
どうしても我慢ならなければ、転職する際に復讐をしましょう(笑)

病院に入院している間は、医師や看護師と喧嘩をするのは絶対に不利です。
病院という閉鎖空間の中、専門知識に雲泥の差がある相手と真正面にぶつかったのでは勝ち目がありません。

下手をすると、点滴の針をわざと痛く刺されたり、辛い検査を受けさせられるという報復が待っているかもしれません(そのようなことは決してないと信じていますが…)。

以前、とある依頼者から「相手が反省して謝罪してくれれば、最悪賠償金は最悪ゼロでもいい」という依頼を受けたことがありました。

もちろん「着手金をドブに捨てる覚悟があるならお受けします」と念押しして受任しました。
内容証明で相応の譲歩案を提示したところ、士業の人に代書してもらったらしき内容証明で回答が返ってきました。

完全否認の上逆ギレの内容だったので依頼者は激怒、裁判所に提訴することになりました。
第一回公判期日に出てきた相手方、感情的なことばかり口走って要領を得ないので見かねた裁判官が「弁護士に依頼してはどうですか?」と諭しました。

「弁護士に依頼するお金がない」とのことだったので、本人訴訟で係属。
見ていて気の毒なくらい法廷で恥の上塗りを演じることになってしまいました。
おかげで依頼者は十分満足してくれました。

「あ~あ、当初のささやかな請求を突っぱねなければよかったのに。まあ、自業自得なのかなあ…」と思った次第です。
プライドが高すぎて”勇気ある撤退”ができなかったのでしょう。

”勇気ある撤退”ができずに泥沼に入ってしまった人たちが、世の中には本当に数知れずいます。

もしかしたら日馬富士関も、すぐに真摯な詫びを入れておけばこんな大事(おおごと)に発展しなかったのではないかと思います。

”勇気ある撤退”ができなかったがゆえに、自身のみならず周囲までをも巻き込んだのだとしたら、とても残念なことです。


編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2017年11月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。

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