反面教師にしてほしい、受け取って迷惑になるギフトの贈り方

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

当店のお客様ではないのですが、ネットの某質問掲示板でフルーツギフトについての「困った!」という声を見かけました。読んでみて問題点と解決方法について思うことがありました。

「フルーツギフトが贈られてきて困った!」の相談内容

投稿されていた相談内容としては次のようなものです。ざっと箇条書きにしてみましょう。

・50玉以上もの大量のフルーツギフトを受け取った。

・受け取って2ヶ月以上経過しているがまだ食べ切れていないので風味が落ちてきた。

・冷蔵保存したいが、近日中に引っ越しを控えていてそれは出来ない。

・今後もまた送られてきそうで心配。

このような内容です。文面から察するに小世帯(もしかしたら独身)で暮らしていた相談者の元へ送られてきたものと思われます。

すれ違う贈る人、受け取る人の認識

私はこの相談内容を見て年配の方が地元のフルーツを送ったのではないか?と思いました。地方だと果物が安く売られていることがあり、数が多くても値段が安く手に入ります。例えば親戚のおじさん、おばさんが田舎に住んでいて、郵送で甥っ子、姪っ子に宛てて贈る、というパターンはよく見られます。あなたも親戚からフルーツを受け取った経験がありませんか?

もしも今回の相談内容がこれに当てはまるとすると、ある事実が見えてきます。それは「贈る側、受け取る側の認識の違い」です。贈る側は地元で気軽に手に入るフルーツを大切な人にも楽しんでもらいたい、そういう気持ちでプレゼントしたのでしょう。でも受け取る側にとっては毎日どっさりフルーツを食べる習慣がなく、受け取った分量を消化しきれないで「もったいない」「せっかく送ってくれたのに」と罪悪感を持ってしまっているという具合です。

問題はフルーツギフトそのものではなく「数」

認識の違いはどうあれ、とにかく分量を消化しきれずにいるという状況なわけです。さて、これだけを見ると「傷んでしまうフルーツギフトは贈り物によくないのでは?」と思ってしまう人もいるかもしれませんね。受け取る側からすると食べきれないほどのフルーツギフトが来てしまうと「生物なので消費しなければ…!?」というプレッシャーを感じることでしょう。でも問題は贈り物がフルーツギフトであることではなく、分量が多すぎることにあるでしょう。これは例え日持ちするものでも同じことがいえます。

私は昨年、お中元に小豆島のおそうめんを頂きました。とってもおいしくて嬉しい贈り物で、夏の間に食べていたのですが、いかんせん分量が多すぎて夏だけでは消化しきれませんでした。秋や冬にもちょろちょろと食べるのですが、まだまだ残っています。そうめんですからすぐに腐ってしまうことはありません。でも今年の夏も他の方からそうめんを受け取ってしまったことで、昨年の分とあわせておそうめんだらけになってしまいました…。たとえ日持ちするものでも、同じものがたくさん来ると全部食べきれずに持て余してしまうのです。これは缶詰でも、チョコレートでも同じことが起こるでしょう。

贈り物は日持ちのする食品なら無難、というのは贈り物をする側の思い込みで実際は受け取る側というのは「これ食べきれないけどどうしよう…」と途方にくれてしまうのです。

相手の家族構成を確認してから贈りましょう!

今回の件は贈る側が相手の家族構成をしっかりと考えれば、贈り物がフルーツギフトであってもまったく問題はなかったと考えます。事実、当店肥後庵のお客様は相手先様の家族構成をよく考えられていて、時々「この詰め合わせは年配夫婦二人で食べ切れるものでしょうか?」といった相談を受けます。その度に私は「“大玉スイカ”では分量が多いので、“小玉スイカ”にしてみてはいかがでしょうか?」などお客様から状況をお聞きした上でアドバイスをさせて頂いています。

私が考える食品の贈り物をする上での適切な分量は、お届けして2回か3回の食事で食べ切れるくらいです。このくらいであれば「早く全部食べなければ!」というプレッシャーを感じることはありませんし、風味や鮮度が落ちてしまう前のおいしい状態で楽しむことができます。「あー!おいしかった!!もうなくなったのか。ちょっと名残惜しいけど、また食べたいな!」と思えるようなくらいが満足度の最も高い楽しみ方だと思います。

これはフルーツギフトに限った話ではなく、外食でも何でも同じことですよね。お腹いっぱいにパンパンになるまで食べるよりも、腹8分目で留めておくのが一番幸せに感じると思います。贈り物をするとつい、たくさん贈ってあげたくなるのですが相手が腹八分目で終わる量でプレゼントするのが良いでしょう。

参考になれば幸いです。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表