新TPP合意:政府は頑張ったが、もうひと踏ん張り!

2017年11月28日 11:30

11月9日、TPP(環太平洋パートナーシップ協定、Trans-Pacific Partnership)がアメリカを除いてあらためて大筋で合意されました。

アメリカはトランプ大統領就任後に離脱を表明したわけですが、残った11カ国で一部の変更はあったもののCPTPPと名前も変えて今回の大筋合意に至りました。

合意には特に日本とオーストラリアが主導してベトナム・シンガポール・ブルネイ・マレーシア・ニュージーランド・カナダ・メキシコ・ペルー・チリを引っ張ってきました。
なかでも日本政府、安倍政権は非常に力を入れて頑張ってきたので評価して良いでしょう。

TPPについてはこの数年で大いに議論が行われ、賛成・反対どちらの声もありました。
例えば米や乳製品について
「関税がなくなったらどうするんだ?」
といった議論も多くありましたが、それでも私は
「日本は積極的にTPPに参加すべき」
と考えてきました。
単に貿易だけで無く、電子取引・競争政策・環境問題・労働条件などモノ以外のルールを作ることがミソで、昨年11月のブログに書きました。

2016/11/9「「アメリカ大統領選」TPPが今こそ重要なのです!」
http://nakada.net/blog/7326

世界の貿易で中国が力を付けながら自由貿易ではなく、その中国をどうやって世界のルールに引っ張り込むかがTPPの要です。
中国はTPP自体には参加していませんが、TPPで世界のGDP(国内総生産)の4割の国によるルールができれば中国も従わざるを得なくなります。

アメリカ大統領選挙後の昨年11月21日にアメリカがTPPの離脱表明をした後、12月5日の当ブログでは、残りの11カ国で進めるべきだとも書きました。

2016/12/5「「さようならアメリカ」米国抜きでもTPPは進めるべき」
http://nakada.net/blog/7652

当時、日本ではそのような議論は全くありませんでしたが、この4カ月後、4月に入ってから日本政府はアメリカ以外の国でTPPを進める方針を打ち出しました。
以来、半年以上に渡って日本政府は本当によく頑張って世界のルール作りを主導してきました。

今回、合意したTPPは、名称もCPTPP(Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership、包括的かつ先進的TPP協定)となり、FTA(Free Trade Agreement、自由貿易協定)よりもEPA(Economic Partnership Agreement、経済連携協定)の性格が強いものとなりました。

“貿易“だけでなく”幅広い経済協力“というもので、もともとアメリカも含めて合意していた500ルールのうちアメリカ離脱のために不要となり凍結したルールは20で、残りは合意しました。
例えばディズニーなどアメリカが多く持っている著作権の保護を50年→70年にすることや、企業が海外に進出した時にその国とトラブルになった場合のISDS条項(Investor‐State Dispute Settlement、投資家と国の間の紛争解決)などが凍結の対象です。

今回、大筋合意には至ったものの唯一の心配はカナダで、トルドー・カナダ首相が、
「アメリカがいないんだったら」
と首脳による発表を拒んだそうです。

日本政府にはもうひと踏ん張り、カナダの説得を頑張って欲しいものです。


編集部より:この記事は、前横浜市長、前衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2017年11月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
前衆議院議員、前横浜市長

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