北朝鮮籍の難破船が6倍増

2017年12月03日 06:00

海上保安庁が発表したところによると、11月に発見した北朝鮮籍とみられる難破船は24隻にものぼる。昨年11月は4隻だったから、6倍増となった。大体が日本海側沿岸にて発見されているところ、また、北朝鮮漁船は簡素な構造が多いことから、北朝鮮から出漁したが、荒れる冬の波に耐えきれずに遭難した可能性が高いとされる。

特に能登半島沖に広がる排他的経済水域内にある日本海有数の漁場「大和堆(たい)」では、昨年から北朝鮮や中国から来たとみられる漁船の違法操業が頻発していて、同漁場で遭難した可能性がある様だ。

こうした難破船の多くは木造ゆえに、海上保安庁の監視網がタイムリーに捕らえているか、その警戒体制について確認する必要がある。また、出漁が北朝鮮の食糧事情の悪化によるとも言われているが、ミサイル開発の陰で経済の悪化が進んでいるのかどうか判然としない。確かなのは日本海は脱北の一つのルートになっているということだ。木造船に乗って明確に日本を目指すかどうかはあるにせよ、有事であれば、あるいは季節によっては、海から脱出する避難民が大量に出る可能性は考えておかねばならない。

避難民の対処には地方自治体の協力が不可欠であり、この点、以前から私自身が国会の質疑で確認してきたところだ。公共機関の連携は、国、県、市の連携あるいは国の各機関の連携だけでは不十分である。避難民に医療や教育などの支援を提供する際には日本赤十字社やNGOによる協力も必要だ。

関わる主体が多くなればなるほど、普段からの連携のみならず、いざというときの想定と訓練が必要となる。前回の質疑では、「想定している」との答弁はあったが、果たしてどこまで「想定」し「計画」し「訓練」しているか、関係者が当事者意識を持っているかは改めて政府に確認したい。事が起きてから協議を行っても遅い。その間に避難民は続々と上陸し、そこには工作員や武装した避難民が含まれる。そう覚悟した上での対処が必要になることも、関わる当事者全てが共通の認識を持っておく必要がある。

加えて、有識者によれば、避難民への対処に適した艦船、人員の不足は大きな課題となっている。避難民対処に適した艦船とは何か。足が速く工作船を追尾可能で、洋上での接舷能力があり、場合によってはある程度の避難民を収容したり、当然、揚陸可能な手段を運搬できる船が望ましい。このような様々な用途が可能な船をしかるべき数を考えて準備しなければならない。ここまでの準備の有無を政府に確認しておきたい。

最も困難だと思うのは人材の育成、確保だ。洋上で探索し、避難民の状況を確認するだけでなく、船舶検査も通常の検査ではない。武装工作員がいる場合には決死の覚悟が必要となる。各機関と連携しながら、状況を冷静に踏まえ、洋上あるいは陸上でも行動できる人材を育成確保するには特殊な訓練が必要だ。

ティラーソン米国務長官の更迭検討、CIA長官後任か=当局者(ロイター)

ティラーソン国務長官が年内にも更迭される観測が出ているが、トランプ大統領の否定コメントも出た。仄聞するところによれば、北朝鮮やイラン、パリ協定への対応についてトランプ大統領との衝突がある様だ。

いずれにせよトランプ政権内で強硬論如何で議論がなされているし、更なる緊張感の高まりを覚悟しなければならないということだろう。

まさかの時にしっかりと準備しておくことが国防である。まさかでは済まされないのである。


編集部より:この記事は、衆議院議員の鷲尾英一郎氏(無所属、新潟2区)の公式ブログ 2017年12月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は鷲尾英一郎の日記をご覧ください。

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鷲尾 英一郎
衆議院議員(無所属、新潟2区)

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