モンゴル人力士と日本人大リーガーは同じと思え

2017年12月03日 16:00

toyohara/flickr:編集部

日馬富士暴行事件でとても嫌なのは、大リーグや欧州サッカーで、日本人同士が会合を持ったときに同じことを言われたらどう感じるだろうという感覚を失った議論が横行していることだ。

イチロー選手とダルビッシュ選手が、シーズン中に会食したらいかんとも聞かないし、まして、問題の鳥取での会合は九州場所の半月も前だ。しかも、野球やサッカーのような団体競技では、作戦の漏洩とかいう問題もあろうが、相撲は個人技だ。

テニスのウィンブルドンやゴルフの全米オープンの前に日本人同士が会食するのと同じである。

事件が起きたモンゴル会と呼ばれる会合については、貴乃花親方は貴ノ岩に出席を禁じていたらしい。というより、貴乃花親方は現役中は力士同士の会食などはよろしくないという考えらしい。

しかし、これはひどい人権侵害だと思う。他の部屋の力士というのが、企業で言えば他社の人間なのか、同じ企業の別の部署の人間なのかは別として、接触を嫌うのは待遇などについての不満を避けるためのブラック企業的統制とみられても仕方ない。

少なくとも、大相撲の場合で言えば、協会で統一基準を定めて一定の規制をするならともかく、親方が勝手に弟子を拘束するべき問題ではない。特に、若い力士が異国で言葉も不自由ななかで同国人との接触を禁じられるのはいかにも辛かろう。

精神衛生上も、正当な待遇を擁護されるためにも、様々な意味での成長を促すためにも守られるべき権利の侵害でないか?

モンゴル人力士には通訳もいないのが普通だろう。日本人大リーガーが通訳もなく、日本人選手との交流も禁止されたら日本人はアメリカは酷いと憤激すると思う。まして、その理由が八百長の相談をするかも知れないと言われたら穏やかであるまい。

さらに、スポーツ紙の報道によると、貴乃花親方が、巡業部長でありながら、モンゴル人力士にあからさまに差別的な態度をとってきたとか、白鵬を集合時間に遅れたからといってバスを発車させて置いてきぼりにしたとか(いくらルールを守らなかったからといってリスペクトされるべき横綱にそんなこと普通しないだろう)、エキセントリックな行動をしていたように伝えられている。相撲協会はどうして放っておいたのかと思う。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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