【映画評】ムーミン谷とウィンターワンダーランド

2017年12月05日 06:00
提供:東映 (c)Filmkompaniet / Animoon Moomin Characters

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木の葉が静かに舞い落ちる秋。ムーミン谷に住むムーミン一家では、春までの長い眠りに備えて、ママはジャムを作り、パパはキノコを採り、食べ物を蓄えるのに、大忙し。家中を片付けてやっと眠りにつくが、ある日、ヘムレンさんがやってきてムーミン一家にこう言った。「クリスマスが来るぞ!」。クリスマスさんというお客様が来るの?それならおもてなししなくちゃ!ムーミン一家は大はりきり。好奇心旺盛のムーミントロールは、初めて目にする冬景色にビックリ。やがて、ムーミンは、数々の驚きと出会うことになる…。

フィンランドの作家トーベ・ヤンソンが生み出したキャラクター、ムーミンをパペットアニメで描く劇場版の最新作「ムーミン谷とウィンターワンダーランド」。クリスマスをテーマにした心温まる物語は、原作者ヤンソンもお気に入りだったそうだ。本作は、1978年から1982年にポーランドのスタジオで制作されたオリジナルシリーズが、フィンランドで高度な技術によってデジタルリマスター化されたものである。ムーミン一家が冬は冬眠するということを実は初めて知ったが、冬を知らないムーミンが、初めて見る冬景色にワクワクし、クリスマスさんを探す冒険をし、さまざまな冬の魔法を体験するストーリーは、見ているこちらまで心が躍る。美しい雪の銀世界の幻想的なビジュアルがいかにも北欧らしく、見るものをファンタジックな別世界へと連れて行ってくれるかのようだ。

提供:東映 (c)Filmkompaniet / Animoon Moomin Characters

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クリスマスさんをおもてなしするプロセスでは、ムーミン一家をはじめ、ムーミン谷に住むたくさんのキャラクターが登場し、にぎやかだ。彼らには、一人よがりだったり、おっちょこちょいだったり、ちょっと無神経だったりと、たくさんの欠点があるのだが、作り手はそんな彼らに、純朴な性格のムーミントロールを通して、あたたかいまなざしを注いでいる。やわらかな質感が伝わってくるようなパペット(人形)の愛らしさ、雪景色の美しさ、そして驚きと喜びに満ちたストーリー。見終われば、きっと心がほっこりし、幸せな気分を味わえるはずだ。ナレーションを務めるのは、神田沙也加。柔らかく澄んだ声が、作品の世界観にフィットしていた。
【60点】
(原題「MUUMIEN JOULU/MOOMINS AND THE WINTER WONDERLAND」)
(フィンランド、ポーランド/ヤクプ・ヴロンスキ、イーラ・カーペラン 監督/(声)宮沢りえ、森川智之、朴路美、ナレーション:神田沙也加 他)
(ピュア度:★★★★★)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2017年12月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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