トランプ「エルサレム首都宣言」を歓迎する米国政界 --- 古森 義久

12月6日、米国のトランプ大統領が「イスラエルの首都はエルサレムであり、米国大使館はそこに移す」と宣言した。これまでの歴代米国大統領は間接的には認めながらも、直接宣言することはなかった。それをトランプ大統領が初めて正式に認め宣言したのだ。その結果、イスラエルと対立するパレスチナ勢力はもちろん、他のイスラム系諸国も一斉に反発した。

トランプ大統領はなぜこの時期に火中の栗を拾う挙に出たのか。ワシントンでみえるその背景の現実は、日本での報道とはだいぶ異なっているようだ。

トランプ大統領は「平和の敵」?

エルサレムは現実にはイスラエルの首都である。だが、エルサレムにはイスラム教の聖地がある。パレスチナ側はその聖地だけでなく、市街全体が自分たちの土地だと主張してきた。国連などもパレスチナ側の主張を認める形で、エルサレムの最終帰属は定まっておらず今後の当事者の交渉による、という立場をとってきた。

トランプ大統領の今回の措置はこの現状を崩したことになり、全世界で激しい反発を呼び起こした。中東のイスラム諸国だけでなく、ヨーロッパ諸国でも、トランプ大統領は平和の敵であるとする抗議運動が起きた。

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