人気FPが注意を促す!生命保険会社のブラックすぎる実態

2017年12月19日 06:00

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保険営業についてどのような印象をもつだろうか。知識が無いとかなり手強い相手もいる。本体が軽自動車、オプション数百万円をつけているような人をたまに見かける。だったら最初からベンツを買ったほうがいいではないか。ところが、会社の大株主が保険会社ということも多いから、冷たくあしらうこともできない。なかなか難しい。

今回は、『成績のいい人はモテる人』を紹介したい。著者は、ファイナンシャルプランナーの下澤純子さん。シングルマザー、資格なし、経験なしの工場パートから、実体験をもとにステップアップした実践書になる。

悪徳保険営業に気をつけろ

――先日、下澤さんの事務所に面談依頼があった。そこで次のような話を聞いた。「いま、うちは生命の旦那が死んだら月に20万円下りる保険に加入している。でもそれ以外、よく分かってないから見てほしい」。このような流れから保険相談となる。

「この話には特徴的な要素があります。まず、『旦那が死んだら月に20万下りる保険』と、ここまではっきり覚えているケースは非常にまれです。しかし、保険証券を確認したところ、月に20万ではなく10万と記載されています。商品は、収入保障保険という定期保険でした。『いや、20万のはず・・・』でも現実は10万でした。」(下澤さん)

「保険に詳しい人なら簡単に見抜くことができたでしょう。10万にしては高すぎる保険料だったからです。保険料の半分を投資で貯金する形になっていて、保障が60歳で終わるときに投資で貯めたお金で終身保険を買いましょうという保障内容です。投資が上手くいっていなければ、当然お金は貯まりません。これは投資だったのです。」(同)

――ところが、その人は、投資などしたこともない。保険内容も理解できていないから、何に投資しているのかもわからない。下澤さんは次のようなアドバイスをした。

「加入から7年経ったいま、10万でなく、他の20万下りる保険に見直しても、安くなることがわかりました。他の保険が成立し、いまの保険の解約処理をすすめていたところ、投資で貯金されている部分の解約返戻金の話は一切ありません。どこに投資したら、解約返戻金がゼロになるというのでしょうか?摩訶不思議です。」(下澤さん)

「こうなってしまった原因は、担当者が、虚偽の説明をし、また、投資に関しても十分な説明をせず、自分にとって手数料の高い商品を売った可能性が高いということです。この担当者は、契約後、一度もお客様に連絡をしていませんでした。」(同)

「研修生制度」の実態とは?

――損保会社に「研修生制度」という、過酷なノルマを2年クリアできれば代理店として独立できる制度がある。過酷なノルマとは、加入する側、一般の人が支払う保険料で月に300万ぐらい。かなりキツそうだ。それもあり得ないくらい。

「私の受講生としてかかわった20代の女性のケースです。順調にクリアしていきましたが、いよいよ査定落ちの予感です。ちょうど、私の昔からのお客様からの見直し依頼もあったことから彼女に担当してもらいました。査定落ちしたら、どこかの保険代理店に転職するので、私のお客様の契約は持って行くことを約束していました。」(下澤さん)

「しかし、過度なノルマで追い詰められ、告知義務違反をしてしまいます。心臓疾患の告知をせずに加入させてしまったのです。結果は査定落ちでした。会社は、お客様を置いて辞めろ。他の代理店に持って行くことは許さないとカンカンです。」(同)

――とにかくノルマクリアが最優先になってしまい、告知義務違反という、バレればこの業界にいられなくなる罪を犯してしまった。必要保障額とか、保障の必要性は全く学んでいなかった。ただ会社から命じられるままに言われたとおりのことをして、追い詰められていた。このような場合、会社に責任はないのだろうか。

また、下澤さんによれば、セクハラ系の事案も少なくないようだ。特に大手企業のエリートサラリーマンのなかには、保険営業を食い物にする悪いやつが少なくないらしい。「独身、一人暮らしの男性の家に、契約を取りに行け!」と言う上司も少なくなかったとか。

「例えば、呼び出されてカフェに行きます。結婚したということなので、奥様の保険相談と思うわけです。そして、付き合ってほしいところがあるということで、付いていくと部屋に連れ込まれそうになる。会社に戻り、所長とマネージャーにクレームの報告をすると、『このことは早く忘れろ。誰にも言うな』。よく聞く話です。」(下澤さん)

――こうなると犯罪だ。保険営業は解約になってしまう不安から強く言えないが、訴えられて大変な事態になるのが誰かは言うまでもない。本書は、生命保険業界を知り尽くした下澤さんが語る実践書である。過酷な営業ノルマで厳しいとも言われる保険営業の実態が見えてくるかも知れない。

尾藤克之
コラムニスト

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