ふざけるな:議員年金の復活?なり手不足はそんな理由じゃないよ!

2017年12月19日 11:00

自民党の竹下亘総務会長が
「2011年に廃止した地方議員年金を復活させる」
と主張しています。

「地方議員のなり手がいない」
という理由ですが、本当にいないのでしょうか?
竹下氏の理屈は地方議員が国民年金にしか加入できないことを捉えて「退職したら生活保護になる」とのことで、すなわち「地方議員は退職した後の将来が見えないからなり手がいない」という論法ですが、そうだとすると国民年金に加入している国民もそもそも生活できない?ということになってしまいます。

地方議員のなり手の有無は、例えば今年7月の東京都議会議員選挙は大勢の候補者が出て激しい選挙になりましたし、他の都道府県議選でも「いない・足りない」ということは基本的にありません。
一方、確かに小さい町や村の選挙ではあるようですが、それは果たして年金の問題なのでしょうか?

確かに、年金という将来の話ではなく、町議会・村議会議員は月10数万円の歳費すなわち給与という金銭的なことというのはなり手不足の一因かもしれません。

他方で兼業が一応は認められていますが、地方自治法で地方議員はその対象たる地方公共団体(都道府県や市区町村)から仕事を請け負っている人はできないことになっ
て、事実上、兼業は非常に厳しいそうです。

地方自治法
第百四十二条 普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体に対し請負をする者及びその支配人又は主として同一の行為をする法人(当該普通地方公共団体が出資している法人で政令で定めるものを除く。)の無限責任社員、取締役、執行役若しくは監査役若しくはこれらに準ずべき者、支配人及び清算人たることができない。

ということで、都道府県議や政令市議であれば地方公共団体の仕事とは無縁の在住者も多くいますが、町や村と規模が小さくなればなるほど、その町や村と無関係で生活している人は少なくなり、何らかの関係の仕事をしている人は議員にはなれませんから、兼業できない=議員になれないという現状になるわけです。

もう一つ兼業が難しい理由は、議会が平日の昼間のみに行われていることで、そこで長野県・喬木村議会は12月から平日の夜もしくは休日に議会を開くという「夜間休日議会」をスタートさせるそうです。
他にもボランティア議会にするなどのアイデアをよく聞きますが、現状では憲法で地方議員は当該住民が直接選挙で選ぶと規定されているので、選挙を行わないわけには行かず難しいでしょう。

憲法第九十三条
○2 地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。

結局”日本全国一律主義”がダメな原因です。
議員のなり手がいるところもいないところもあります。
しかしなり手がいないところに合わせて議員年金を全部復活させるような議論を行っても意味がありません。

それぞれの地方が自分たちで考えて決めるルールづくりが必要で、また正に改憲議論に地方自治のあり方の観点もありということです。


編集部より:この記事は、前横浜市長、前衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2017年12月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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