2017議会活動を締めくくる本会議最終日上田討論

2013年東京都議会議員初当選まもなく猪瀬都知事が辞任→2014年舛添知事誕生の後セクハラ野次事件→2016年舛添知事が政治資金や公用車の私的流用で辞任し、小池百合子知事誕生、2017年都民ファーストがブームとなる中都議会議員選挙…と、中二階で注目されないはずの東京都議会が常に都民ならず国民注目の的となる目まぐるしい4年間でありました。ことに今年は、都民ファースト内で発生していた、言うに言われる苦労を隠し、無事再選を果たしたもののその後の顛末は既報の通り

本日は、平成29年第四回定例会本会議最終日。ジェットコースターのような議員生活のこの一年を締めくくり、万感の思いをこめて、かがやけTokyoを代表し、私上田令子が討論(議案等の表決前に、賛成あるいは反対の意見を述べて、他議員の賛同を求めること)をさせていただきました。

【かがやけTokyo 討論】
私は、かがやけTokyoを代表し、知事提出の第226号議案「職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」ほか3件に反対し、その他の知事提出議案全てに賛成、議員提出議案第20号「東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例」に賛成し、東京大改革を加速させる立場から、討論いたします。

私たちかがやけTokyoは、今定例会に先立ち、音喜多駿議員とともに会派を結成いたしました。変質してしまった東京大改革の軌道を回復すべく、決意を新たにしております。都民のみなさまにおかれましては、引き続きのご支持、ご支援をよろしくお願い申し上げます。

「こんなご時勢だから公務員&都議給与UP議案は反対」
まず、第226号議案ほか3件の職員の給与の増額につき、反対を表明いたします。
本案は、人事委員会勧告等を踏まえ、職員の給与等に関して所要の改正を行うものとされていますが、こちらの職員給与の見直しの基準となっている人事委員会勧告では、その比較調査対象として五十人以上の事業規模を持つ民間企業の給与平均値を算出し、民間給与と公務員給与の差を増額調整するとされていることについては、毎年、指摘を繰り返しておりますが、残念ながら、当局との認識は共有できておりません。
この算定方法では、金融や商社など他と比べて給与水準の高い企業が多く含まれる上、平均値の場合、ある一部の高所得者が値を大きく引き上げることになります。実際に民間の実態を反映させるという前提であれば、平均値ではなく最頻値の導入を検討することが必要です。

2020年オリンピック・パラリンピック運営の経費の膨張や、また、市場移転問題において、都政が著しく信頼を失う中で、人事委員会勧告に従って機械的に給与を引き上げることに対して、都民理解を得られません。知事も議員も「身を切る改革」として給与・報酬をカットしておりますが、これは職員の高額人件費是正の呼び水としなければならないものです。「身を切る」と「改革」はセットでなければ、単なる政治家の給与パフォーマンスに終わってしまいます。

以上の理由から、今回の職員の給与の増額に関連する一連の条例案には反対をするものです。

また、同様の理由及び、都人事委員会の勧告と職員の手当との連動は制度としてルール化されているからと唯々諾々と踏襲すべきものではないという考えに基づき職員の給与増額に伴い、自動的に都議会議員の議員報酬・期末手当と連動してしまうことを防ぐための議員提出議案第20号を有志会派と共同提出いたしました。「ふるい議会を新しく」と議員報酬の削減、議員特権の撤廃を公約に掲げ闘った同士の皆様には、これまでの6.6億円の削減に甘んじることなく、東京大改革の理念の元必ずやご賛同頂けるものと信じております。ことに最大会派をはじめ議員のみなさまの賛同を心より求めるものです。

「当たり前のことを当たり前に進める行政・議会を」
次に、第164号議案「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」は、青少年に係る児童ポルノ等の提供、すなわち自撮りを当該青少年に対し不当に求める行為を禁止するほか、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律の一部改正を踏まえ、規定を整備するものです。総務委員会の審査におきましては、青少年を性被害から守る観点から、運用についての懸念が指摘されております。この点に留意を求めつつ、性被害の根絶を進める観点から、本案に賛成するものです。

続きまして、第168号議案「有明アリーナの公共施設等運営権に係る実施方針に関する条例」です。本案は、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律、いわゆるPFI法に基づき、有明アリーナの公共施設等運営権に係る実施方針に関し必要な事項を定めるものです。オリンピック・パラリンピックに向け、同法の趣旨にのっとり、コンセッション事業の円滑かつ効率的な実施を図るべく、公共施設のみならず、行政のあらゆる分野におきまして、民間活力の導入を引き続き推進していくこと強く求めます。

オリンピックに関しましては今般本会議代表質問では、オリパラ憲章が取り上げられ、知事もLGBTへの理解促進を示したにも関わらず陳情29第89号「東京2020大会における性的少数者への配慮に関する陳情」は、その内容からいっても趣旨採択がふさわしいはずだったものの、文教委員会では否決となったことは誠に遺憾であると申し添えます。

さて、今議会では、契約案11件が提案されております。
都における入札制度改革は、緒に着いたばかりで、成果を論じる段階ではありませんが、先ごろも小笠原支庁におきます職員による予定価格の漏洩が明らかになりました。真相解明を進めて、都民に事実を明らかにするとともに、再発防止を期して、全国一の公正かつ透明性をもった入札制度を実現すべく、知事、都政改革本部および関係局の取り組みに期待いたします。

「取れるとこから税金奪う政府と一丸となって闘う!」
最後に、国による地方税の偏在是正措置と地方消費税の清算基準の見直しについて、申し述べます。

地方分権の更なる推進と財政自主権の確立により、自らの権限と財源に基づく行財政運営を行うことは、地方が自主性・自立性を持って課題の解決を図る上で必要不可欠です。ところがこれに反し、国はこれまで、受益と負担という地方税の原則に無視して、憲法第92条が保障する地方自治の本旨にもとる不合理な偏在是正措置により、2.2兆円もの都民の貴重な財源を収奪してきました。地方自治体は、教育や産業振興など様々な行政サービスを担っております。ことに、都においては、待機児童の解消や高齢者対策の推進、災害対策の推進など、直面する行政需要への対応に着実に取り組むとともに、オリンピック・パラリンピックに向けた準備など、日本の成長につながる施策を積極的に展開することが求められています。

地方が、それぞれの地域の実情に応じ、これらの施策を着実に展開していくためには、地方の税財源を維持・拡充していくことが不可欠です。現在、国では、都をはじめとする大都市自治体から税収を搾取することを意図し、地方の自主財源である地方消費税の清算基準について、消費に関する「統計」の比率を下げ、代替指標である「人口」の比率を高めるなどの見直しが検討されており、財政の自主性の危機を感じます。
そもそも、地方消費税の清算基準は、税の最終負担者である消費者が消費を行った地域と税収の最終的な帰属地を一致させるという趣旨にのっとり、その運用を図るべきものです。地方自治体間の税収格差という論点に基づき、見直しが議論されるのは誤りです。こうした本質を顧みず、国による見直しが強行されれば、地方財政への悪影響が強く懸念されます。地方消費税の導入の趣旨に反して、地域での消費活動の活性化が税収に反映されるという「地方税」としての意義を失い、地域活性化に向けて地方が積み重ねた努力が全く報われない仕組みとなることが危惧されます。

「東京富裕論」といういたって感傷的かつ感覚的で裏付けを持たない言説に基づき、都の貴重な財源を奪取し、都市対地方の対立構造をいたずらに煽る国の動きは、極めて遺憾で、受け入れられません。直前二代の知事よりも、国の関係組織や政府に足しげく通われ、都民のために財源を守ろうと奔走された小池百合子知事の下、オール都庁、オール都議会一丸となって国、全国知事会、他道府県への働きかけ、都民の生活と税金を守るため力を合わせて守ってまいりましょう。

【お姐総括】

動画(平成29年12月15日54:14あたりから登場します)

結局かがやけTokyoと有志会派と提出した都議ボーナス削減議案(詳細こちら参照)は、都民ファースト会派が賛成してくだされば、可決となりましたものの本日の本会議において正式に反対ということとなり成立適わず誠に残念です。この件について、したためた過日ブログは大変な反響がありネットニュースにもなっております。少数会派を切り捨てる政党や政治組織は、弱者を切り捨てることになりますまいか。議会改革検討委員会へも、我々かがやけTokyoも一人会派も入ることができません。ヤレ運用でだめ、ヤレ少数会派を過剰に平等に扱うのは大会派には不公平などなどいいわけめいた御託を並べていれば、それはブラックボックス議会と批判していた自民党と同じではないでしょうか?ましてや、どう考えても、正しい議員提出議案に対して「あいつらが持ってきたものには乗れない」で反対しては都民不在の政局ファーストということになります。

誰の手柄になろうとも会派党派を超えて
駄目なものはだめ、でも良いものは良いから力を合わせようという姿勢が大事!

都民も全国民も静かにその動向を見守っています。

お手柄合戦、足の引っ張り合いから善政競争をする地方議会となるよう、地域政党自由を守る会代表としても、お姐はあきらめません!

☆お姐、お前なら新しいスタイルの大会派を創造するのにな…だから排除されたのか?!(笑)☆

上田令子 プロフィール

東京都議会議員(江戸川区選出)、都議会会派「かがやけTokyo」、地域政党「自由を守る会」代表、
白百合女子大学を卒業後、ナショナルライフ保険(現ING生命)入社後、以降数社を経て、起業も。2007年統一地方選挙にて江戸川区議会議員初当選。2期目江戸川区議会史上最高記録、2011年統一地方選挙東京都の候補全員の中で最多得票の1万2千票のトップ当選。2013年東京都議会議員選挙初当選。2014年11月地域政党「自由を守る会」を設立し、代表に就任。2015年3月地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)を設立し、副代表に就任。

地域政党「自由を守る会」
地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)
Twitter
Facebook