楽天の「第4のキャリア」への挑戦は成功するか

楽天が通信キャリアに参入する意向を表明したが、通信業界では厳しい見方が多く、楽天の株価は大きく下がった。日本の携帯キャリアはNTTドコモとKDDIとソフトバンクの3社が圧倒的なシェアをもち、「第4のキャリア」として名乗りを上げた新規参入業者はすべて(独立の企業としては)消滅したからだ。

通信産業は25兆円の巨大市場だが、3社の寡占状態で、ソフトバンクの営業利益は1兆円を超えた。この市場に参入しようという企業はこれまでも多かったが、第4のキャリアは生き残れなかった。楽天が同じ結果になると予想する人は多いが、この20年で電波ビジネスも技術も大きく変わった。

電波を借りる「店子」から「大家」になれるか

楽天が名乗りを上げたのは、総務省が今年度中に割り当てる予定の1.7ギガヘルツ帯(2スロット)と3.4ギガヘルツ帯(2スロット)だ。総務省は「電波オークションをやるべきだ」という批判に挑戦するように、この帯域を今年度中に比較審査で割り当てる。

その審査基準には「新規事業者であること」があげられているので、楽天は総務省と事前に調整しているものと思われる。既存3社も名乗りを上げているので、この4スロットが楽天を含む4社に割り当てられるだろう。

このうち3.4ギガヘルツ帯はテレビ局の衛星放送の周波数で、地上の基地局に使うのはむずかしい。常識的には、楽天に割り当てられるのは、第4世代の国際周波数になっている1.7ギガヘルツ帯だろう。しかしこれは防衛省が使っており、その「立ち退き料」は2000億円ぐらいかかるという。これはその帯域を使う事業者が負担する。

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